量子コンピューティングの分野が活況を呈している。IBMは同社史上最も高性能な量子コンピューターを発表した。Googleは量子コンピューターを使い、従来のコンピューターより短い時間で問題を解決したと報じられている。そして今回、量子コンピューティングへの異なるアプローチで競争しているD-Wave Systemsは、核兵器の研究も手がける米ロスアラモス国立研究所(LANL)が同社の次世代マシン「Advantage」を採用する最初の顧客になったと発表した。
個人のスマートフォンからAmazon.comの巨大なEコマースの運営まで、さまざまな製品やサービスの基盤となる従来のコンピューターに対し、量子コンピューターは出自がまったく異なるマシンだ。量子コンピューターは超微小粒子の物理学を利用して、従来のコンピューターでは(少なくとも原理上は)解くことのできない計算を行う。現在のところ、この技術はごく実験的なものにとどまっている。
エンジニアらは従来のコンピューターからさらなるパフォーマンスを引き出そうと奮闘しているが、すべてが計画通りに進めば、量子コンピューターは新たなコンピューティング領域を切り開く可能性がある。
Google、IBM、Microsoft、Intel、Rigetti Computingの研究者らは、汎用量子コンピューター、すなわち多種多様な計算問題に対処できるマシンの開発に重点を置いている。しかし、D-Waveは量子アニーリング(量子焼きなまし法)と呼ばれる異なるアプローチを採用し、はるかに狭い範囲の問題に対象を限定している。たとえば、量子コンピューティングは今日の暗号化技術を破る能力を備えることが知られているが、量子アニーリングマシンはそうした暗号解読には応用できない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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