欧州連合(EU)の最高裁判所にあたる欧州司法裁判所が現地時間9月24日、EU域内のネットユーザーに認められている「忘れられる権利」の適用範囲についてGoogleとフランス政府が争っていた訴訟で、Google側の主張を認め、検索企業にはEU域内と同じプライバシー基準を全世界で適用する必要はないとの判断を示した。この判決で、Googleは「忘れられる権利」の適用を欧州以外の地域で同社が提供している検索サービスまで拡大する必要がなくなった。
忘れられる権利とは、ユーザーがGoogleに対して、公共の利益にあたらない自分自身に関する情報へのリンクを削除することを要求できる権利のことで、ユーザーのプライバシーを保護するために2014年に導入された。Googleはこの導入を受け、ユーザーからの要求があった場合にリンクを削除するという欧州の決定に従っていたが、ただしその適用範囲はEU域内で検索が実行された場合に限られていた。そのため、たとえば英国版のGoogle検索でリンクが削除され、表示されなくなってからも米国版のGoogle検索では依然として当該情報へのリンクが表示され続ける、という可能性が残っている。
それに対して、フランス政府のデータ保護当局は、欧州法の下でのプライバシー保護を徹底するために、リンクを削除する検索サービスの対象を全世界に拡げるようGoogleに要求。その後、フランス政府がGoogleに10万ユーロ(11万ドル、約1180万円)の罰金を科したことを受けて、Googleは欧州司法裁判所に訴えを起こしていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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