中古車の査定から売却までをアプリで完結できる「Gulliver AUTO」--AIが最短3分で査定

　中古車販売サービス「ガリバー」を提供するIDOMは9月12日、中古車の査定・販売ができるスマートフォンアプリ「Gulliver AUTO」を開始した。アプリに車の情報を登録することで、ガリバーが持つ中古車販売ノウハウと独自AIにより、最短3分ほどで査定が完了する。

IDOM デジタルマーケティングセクション セクションリーダーの中澤伸也氏

　アプリの指示に従い、車をスマートフォンで撮影し、いくつかの質問に答えるだけで、プロによる査定額が提示される。自動車検査登録情報提供サービス「AIRIS」を通じて国土交通省のデータベースにアクセスすることで、車両情報の入力をサポートし登録プロセスを簡略化している。なお、取得する情報は車両情報のみとしており、個人情報は取得していないという。

査定だけでなく、中古車販売におけるさまざまなニーズをカバー

　Gulliver AUTOでは、車の査定ができるだけでなく、自分の車と類似した車種の査定額（ガリバーによる査定額）比較できる機能「みんなの車」も利用できる。他の人の査定額を知ることができるので、「自分だけ損をしているのではないか」という不安を払拭できるとしている。金額に納得すれば、そのままアプリで売却の手続きも可能だ。

査定以外にもさまざまなサービスが受けられる

　また、AIによる査定だけでなく、プロの査定士とのチャットが可能。車を手放すタイミングや売却方法を相談できる。今後の査定額も予測してくれるため、自分がいつ車を手放すべきかプロに相談しながら検討できる。また、車を手放さずにオーナーとして人に貸し出すなど、車の活用方法についてもアドバイスがもらえるのもプロを介するメリット。単純に車の査定額を算出してくれるだけでなく、多角的に車の売却に関するサポートが受けられる。

　従来での査定では、「時間がかかる」「営業電話が鳴り止まない」といったネガティブな印象から、査定を避けてきたユーザーも多い。同社のアンケートでは、97％の人が売却先によって売却価格が異なることを知っているのに、実際に複数社で査定しているのは半数以下という結果になった。

　車を査定する時間がとれないために、1社目で提示された金額で手放すも、販売した後に後悔しているケースも少なくない。Gulliver AUTOを使えば気軽に査定を受けられるほか、プロにも相談できるので、誰もが自由に車の査定が可能になる。もちろんアプリを利用した後に営業電話がかかってくる心配もない。

競合サービスとの差別化は「人肌」

　商品ジャーナリストでありサイバー大学IT総合学部教授の北村氏は、ここ何年かで類似サービスが増えていることを指摘する。IDOM デジタルマーケティングセクションの中澤氏は、「多くのお客様が査定に面倒さを感じ、1社でしか査定をしない状況があった。もっと簡単に車を販売したいというユーザーのニーズに、AI技術が発達することで簡単に査定できるようになったため、多くの企業が査定サービスを始めている」と回答。

商品ジャーナリスト/サイバー大学IT総合学部教授　北村森氏(右)と中澤氏(左)

　すでに提供されている競合サービスとの差別化として、中澤氏が挙げたのが「人肌」だ。これまで25年間培ってきた中古車販売ノウハウを生かしているのが、他の企業では真似できないポイントだという。Gulliver AUTOを含め、アプリで査定できる車種は全体の7～8割。希少車など一部の車はAIで査定できないものの、人力査定をアプリに反映させることが可能。これにより、他社のアプリでは査定できない車種でも、Gulliver AUTOでは約20～30分で査定額が表示される。こうした査定できない車はクラシックカーなどが多く、思い入れを持っているオーナーが多い。それら車好きのユーザーを取り込める差は大きい。

　また、事故車専門で買取している「タウ」と提携することで、事故車であっても見積もりが可能だ。「せっかくアプリで査定しても、結果がでなければがっかりする。他のアプリでは査定できない車も、Gulliver AUTOなら幅広く査定できる」と中澤氏は語った。