Mozillaは米国時間9月3日、「Firefox 69」をリリースした。デスクトップ版と「Android」版の全ユーザーの環境で、トラッキング防止機能がデフォルトで有効になる。これは、ユーザーのオンラインでの行動を把握したいウェブサイトのパブリッシャーや広告主から、プライバシーを保護する取り組みを強化するものだ。Mozillaは6月、新規インストールされたFirefoxでトラッキング防止機能がデフォルトで有効になるようにしたが、今回は全ユーザーが対象だという。
トラッキング防止機能を導入する動きはブラウザーメーカーの間で急速に広がっており、Appleの「Safari」、Brave Softwareの「Brave」、Microsoftの「Chromium」ベースの新たな「Edge」などが搭載してきた。主要ブラウザーの中で長く後れを取っていたGoogleの「Chrome」も、この問題の対処に乗り出している。一方で、ウェブサイト運営者や広告業者にとって、トラッキング対策は厄介な問題だ。彼らは、ユーザーの関心度の評価に基づいて広告をターゲティングすることにより、広告売上の増加を狙っているからだ。
Mozillaは、3日のブログ記事で次のように述べた。「現在、Firefoxユーザーの20%超は『Enhanced Tracking Protection』(強化されたトラッキング防止)を有効にしている。本日のリリースによって、われわれは100%のユーザーにデフォルトで(トラッキング)防止機能を提供することになると考えている」
Firefoxは岐路に立っている。Firefoxは今でもPC上では広く利用されているが、スマートフォンではあまり使われておらず、全体として見るとChromeの方がはるかに普及している。Mozillaの最高経営責任者(CEO)であるChris Beard氏も、2019年末に辞任する予定だ。
だが、Mozillaのさらなるプライバシー強化と時を同じくして、IT業界内外の多くの企業は、ユーザーの個人情報を収集するサイトやアプリ、サービスに対し、より積極的な対策をとろうとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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