この2製品は、両社のフラッグシップラインアップのなかでは最も安価なモデルであり、消費者の間でも実際、人気を博している。調査会社Canalysによると、他のiPhoneが低迷した4~6月期にあってiPhone XRがAppleの「一筋の光明」だったという。同社は、Appleの5月の全出荷台数について、およそ38%をiPhone XRが占めたと推計している。Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏は、店頭下取りおよび分割支払いなどのプログラムが功を奏したと述べた。
だが、同シリーズの高価格モデルより人気があるのは、フラッグシップのなかで割安なモデルだからというだけではない。サムスンの場合、消費者に受けているのはGalaxy Aシリーズだ。サムスンの分析によると、第1四半期から第2四半期でスマートフォンの全体的な出荷台数が増えたのは、「新しいGalaxy Aシリーズ、例えば『Galaxy A50』や『Galaxy A70』の売り上げが伸びた」ことによるという。
Aシリーズのモデルは、同社の高価なモデルと同等の機能を備えていることが多く、なかにはGalaxy Sや「Galaxy Note」シリーズにはない機能をもつモデルさえある。
なにしろ、米国ではVerizonその他のキャリアでGalaxy A50が349.99ドル(約3万7000円)で買えてしまう。それでいて、ディスプレイは6.4インチ、背面にトリプルカメラまで搭載している。どちらも、999.99ドル(約10万6000円)する「Galaxy S10+」に採用されている仕様だ。
「Galaxy A80」は、サムスン初の、そして今のところ唯一の、回転式スライドカメラ搭載モデルとして4月に発表された。カメラアレイは1つだけで、自撮りモードに切り替えると自動的に回転する。48メガピクセルのメインカメラと、8メガピクセルの超広角カメラ、TOF(Time-Of-Flight)方式センサーを採用しており、TOFセンサーは顔認識に利用される。また、日常生活やアプリ使用のパターンを学習して端末の電力消費を最適化する「インテリジェントバッテリー」もA80の特長だ。回転式カメラはA80だけの機能だが、バッテリーの最適化機能はGalaxy S10にも採用されている。
「Galaxy Note 10」は、今週ニューヨークで開催されるサムスンのイベントで発表される予定で、前モデルからの大きい変更はないものとみられているが、熱心なNoteシリーズファンには歓迎されるだろう。だが、そのうち、どのくらいが1000ドル以上を払って乗り換えるのかは不明だ。回転式カメラは、おそらく搭載されないだろう。
サムスンは、「Galaxy Fold」の改良版も9月にようやく発表する予定だ。電子機器メーカー大手からは世界初となった折りたたみ式スマートフォンで、初期のレビュアー向け端末で発生した問題を修正しての再登場となる。また、「新しい市場をリードするために、5Gスマートフォンのラインアップ」も強化するという。
こうしたモデルが安価で発売されることはないが、サムスンはスマートフォン売り上げの復調をそこに賭けている。しかし実際には、勝つのは結局のところ、同社の安価なモデルということになるのかもしれない。
「サムスンの第2四半期の出荷台数は、その50%以上をA10からA80までの新しいモデルが占めていた。2019年後半は、それらが同社の成長のかなりの部分を担うだろう」と、Canalysは予想している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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