パナソニックが、スタートアップ企業であるリンクウィズと手を組み、熱加工事業における溶接の検査プロセスの自動化を始める。勘と経験に頼っていた、溶接作業における仕上がりの判定を、ロボットとソフトウェアで代替する。
6月17日、パナソニック コネクティッドソリューションズ社は、熱加工現場のプロセス改善に向けリンクウィズと共同事業開発契約を結んだことを発表。同日、リンクウィズは、INCJ、SMBCベンチャーキャピタル、はましんリース/信金キャピタル、ミツトヨ、パナソニック、グローバル・ブレイン7号投資事業有限責任組合を引受先とした、シリーズBラウンド総額9億円の資金調達の完了も発表している。
リンクウィズは静岡県浜松市に拠点を構えるスタートアップ企業。2015年3月に設立し、自律型ロボットシステムソフトウェアの開発、販売技術コンサルティングなどを手がけている。
今回の協業により、パナソニックとリンクウィズは、溶接結果を自動で判定するシステムを開発。溶接は、町工場から大型の自動車工場まで、幅広い現場で必要とされる加工作業だが、溶接結果の仕上げは、ほぼ人による目視で、勘と経験に頼っていた。開発されたシステムは、事前登録した良品の画像データと比較することで、自動判定できるというもの。目視よりも高精度な測定を実現する。
リンクウィズ 代表取締役の吹野豪氏は「今回のシステム開発により、溶接前後のプロセスを最適化できる。私たちのクライアントが求めているのは製品の質の担保。フルレンジで溶接工程を革新していきたい」とコメントした。
リンクウィズとパナソニックは、2016年3月に出会い、2018年には、展示会などで連携ソリューションの共同出展などを実施。すでに自動車や建設機械など32社から引き合いがあるという。
パナソニック コネクティッドソリューションズ社社長の樋口泰行氏は「人手不足、人件費の高騰、物流量もあがるなど、現場のニーズは多岐に渡っている。現場のお困りごとを製造業のノウハウと技術をかけあわせることによって、ソリューションで解決していく」とコネクティッドソリューションズ社の方針を示した。
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