医療テクノロジベンチャーのキュア・アップは5月30日、アプリでニコチン依存症を治療するアプリの治験を完了し、有効性を確認したと発表した。すでに医薬品医療機器総合機構(PMDA)に申請をしており、2020年2月~3月をめどに保険適用を目指す。
キュア・アップは、2014年から慶應義塾大学呼吸器内科とともにアプリとIoTデバイスで遠隔禁煙治療ができるソリューションを共同研究・臨床研究し、保険償還の適用に向けて治験を進めてきた。2018年末に治験が完了した。
ニコチン依存症は、薬物依存症の一つで、その依存性の強さはヘロインやコカインなどの麻薬と同程度とされる。ニコチンに対し「身体的依存」と「心理的依存」があり、離脱症状を伴う身体依存には禁煙補助薬が有効だが、従来の禁煙治療では診察時以外に医療者がニコチンの心理的依存に治療介入することは難しく、患者は孤独な戦いを強いられるという課題があった。
この治療空白を埋め、日々の患者をサポートするのがニコチン依存症治療アプリだ。患者の生活習慣や重症度などに合わせ、抱える衝動に対しどのようなアクションを起こせばよいかをアドバイスする。
空白の期間にアプリと呼気CO濃度を測定できるIoTデバイスを通じて日々の経過を測定。個々に応じた適切なフォローをし、継続意欲が持続するように促すことで、治療効果を高めるというもの。
この治験結果をもとに、治療アプリが新しい治療手段として薬事認証・保険適用を受けた後に医師によって処方され、多くの患者を救うことを目指すとした。
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