Qualcommのワイヤレスチップ市場における慣行に関して米連邦取引委員会(FTC)が起こしていた裁判で、米連邦地方裁判所のLucy Koh判事は米国時間5月21日遅く、長く待たれていた裁定を下した。Koh判事は、ワイヤレスチップ市場で不正に競合他社に損害を与え、自社の独占的地位を利用してAppleなどの端末メーカーに不要なライセンス料の支払いを強要しているとの判断を示した。
今回の裁定では、Qualcommがビジネスの慣行を変え、顧客とのライセンス契約を再交渉しなければならないとされている。また、Qualcommがコンプライアンス報告書と監視報告書を今後7年にわたって提出するとともに、FTCに毎年報告を行うよう義務づけている。
Koh判事は裁定書に、「Qualcommのライセンス慣行は、CDMAおよびプレミアムLTEモデムチップ市場での競争を長年にわたって阻害しており、その過程で競合他社、OEM企業、エンドユーザーに損害を与えてきた」と記している。
これに対し、Qualcommは声明で、ただちに今回の判断の中止を求めるとともに、連邦第9巡回控訴裁判所に上訴する予定だと述べている。
一方、FTCで競争局長を務めるBruce Hoffman氏も5月22日付の声明で、「Qualcommの慣行が独占禁止法違反であるとする昨日の裁定は、経済の重要な分野における競争を維持するための重要な勝利だ」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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