KDDIは2019年5月15日、2019年3月期の決算を発表。売上高は前年同期比0.8%増の5兆804億円、営業利益は前年同期比5.3%増の1兆137億円と増収増益の決算となり、同社として初めて営業利益1兆円超えを達成している。
同日に実施した決算説明会では、高橋氏が今期の業績の要因について説明。主力の通信事業に関しては、auの解約率が前年同期比で0.76%に低減したほか、傘下MVNOの伸びもあってモバイルID数も前年同期比1.8%増の2695万に拡大したという。
au通信ARPAに関しても、2017年に導入した分離プランの「auピタットプラン」「auフラットプラン」のキャンペーンが終了し、なおかつ大容量プランの利用が増えたことにより、前年同期比1.4%増の5860円に拡大。au ARPA収入も分離プラン導入後初めて、前年同期比で反転を記録するなど好調に推移したとのことだ。
ライフデザイン事業については、au経済圏の流通総額が今年度目標の2兆円を上回り、2.5兆円を突破。付加価値ARPAも前年同期比18.6%増の700円と、3期連続で2桁成長を記録するなど、こちらも好調に推移したとしている。
また高橋氏は、M&Aで傘下に収めたグループ会社とシナジーを生み出してきたことが、連結業績の伸びを支える要因になったとも説明。ジュピターテレコムを連結化したことで、相互送客などにより連結後4100億円の価値向上に結び付けたほか、電力小売り事業のエナリスとの連携により、「auでんき」の契約数が2019年3月末で200万件にまで拡大。さらにソラコムを傘下に収めたことで、とIoT基盤での連携や5G時代のコアネットワークの共同開発など、新規事業の拡大につなげているという。
その上で、来期となる2020年3月期の業績に関して、高橋氏は売上高が今期比で2.4%増の5兆2000億円、営業利益が今期比0.6%増の1兆200億円を目指すとしている。楽天の新規参入などの事業変化に対応するべく、2019年5月13日に発表した「新auピタットプラン」などの新料金プラン投入による顧客還元や、2019年4月9日に開始した「au Pay」の決済箇所を100万に広げるなどして、サービスの充実を図っていく考えを示した。
なお新料金プランによる影響について、高橋氏は「われわれが分離プランを入れたのは1年半前で、その間に約3000億円強の利益影響があった」と回答。今後3年間のうちにあと1000億円の利益影響が出るものの、事業全体に大きな影響が出るわけではないとしている。
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