Facebookは米国時間5月10日、ソーシャルメディアユーザーのデータをマーケティング目的で分析している韓国企業Rankwaveを提訴したことを明らかにした。
Facebookのプラットフォーム強化および訴訟担当ディレクター、Jessica Romero氏はプレスリリースで次のように述べた。「Facebookは、Rankwaveのデータ慣行について、同社の広告およびマーケティングサービスとの関連で調査していた。Rankwaveは、ポリシーの順守を検証する当社の取り組みに協力しなかった。ポリシーの順守は、当社がプラットフォームを利用するすべての開発者に求めているものだ」
Facebookは、サンマテオ郡にあるカリフォルニア州上級裁判所に提出した訴状の中で、RankwaveがFacebookとの契約を破り、不正または不法、あるいは詐欺的な業務行為を禁止するカリフォルニア州法に違反したと主張している。Rankwaveは2010年以降、Facebookのプラットフォーム上で30以上のアプリを運用していた。Rankwaveはそうしたアプリに関係するデータを利用し、広告およびマーケティングツールを開発して販売したが、これはFacebookの規約に反しているという。
Facebookは訴状の中で、RankwaveはFacebookのポリシーに従っていないことを否定したものの、十分な証拠を提出していないと主張している。Rankwaveはコメントの依頼にすぐには応じなかった。
今回の訴訟は、Facebookが一連のスキャンダルの後で、プライバシーを真摯に取り扱っていることを世間と開発者に示す姿勢を強調するものだ。
Rankwaveのアプリは一般ユーザーと企業が利用していた。それらのアプリは、Facebookのデータにアクセスする前に、ユーザーの許可を得る必要があった。
韓国の百貨店や旅行会社、野球チームなどは、自社のFacebookページの情報を分析したり追跡したりする目的で、Rankwaveのアプリを利用していた。
Rankwaveはまた、「Rankwave app」というツールも運用していた。このツールは、Facebookへの投稿に反応した人数のデータに基づき、ユーザーが自身の「ソーシャル・メディア・インフルエンサー・スコア」を把握できるようにするものだ。ただし同アプリは、2018年3月の時点で、すでにFacebookのプラットフォームから消えていた。
Facebookは2018年6月にRankwaveの調査を開始し、RankwaveがFacebookのポリシーを順守していないことを発見した。Rankwaveが、自社アプリに紐づけられたFacebookページのデータを、広告主やマーケターへの「コンサルティングサービス」の提供といった自社の「事業目的」で利用していた、というのがFacebookの主張だ。
Facebookは2019年に入り、Rankwaveがさらに、ユーザーの個人情報を利用して、マーケティングおよび広告サービスも提供しているかどうかを確認しようとした。訴状によると、RankwaveはFacebookの質問に答えず、Facebookが求めた情報を提出することもなかったという。
Facebookは、Rankwave関連のアプリとアカウントを停止したが、具体的な名称は明らかにしなかった。また、Rankwaveが収集した可能性があるデータの種類や数も明示しなかった。
Facebookは訴状の中で、Rankwaveの不正行為がFacebookの評判や、世間の信頼と善意を傷つけたと主張している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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