ホテル設置のスマホを軸に新ビジネス--ソフトバンク、handyと資本・業務提携契約

 ソフトバンクは7月2日、ホテル設置型のスマートフォンレンタルサービス事業「handy」の日本事業統括会社であるhandy Japan Holdings Company Limited(英領バージン諸島)と、その事業子会社であるhandy Japanと資本・業務提携契約を締結したと発表した。出資金額や出資比率は非公開。

ホテル設置型のスマートフォンレンタルサービス事業「handy」
ホテル設置型のスマートフォンレンタルサービス事業「handy」

 handyは、インターネット接続や国内外への通話、多言語による周辺の観光案内などの機能を搭載したスマートフォンをホテルに設置し、宿泊者向けに無料で提供するサービスだ。

宿泊者は無料で使えるhandy
宿泊者は無料で使えるhandy
業務提携内容
業務提携内容

 今回の提携により、ソフトバンクとhandy Japanは、両社の事業資源を相互に活用し、宿泊事業者と宿泊者の相方のニーズに合った新たな宿泊体験を実現できるサービスの開発やメディアの拡充などへ取り組むことで「handy」事業の発展を目指す。

 また、ソフトバンクは自社の顧客基盤と販売チャネルを生かし、販売代理店としても、handyの事業拡大を推進するとしている。

3つの領域を強化
3つの領域を強化

 具体的には、ソフトバンクの技術やインフラを武器にhadyの機能を強化。スマートフォンと既存の客室管理システムを連携させ、スマートロック、無人チェックアウト、精算業務の自動化などを実現する「Hotel IoT」、宅配、配車サービスとの連携や、決済サービスの拡充させた「Travel Agent」の機能、VoD(Video On Demand)コンテンツの提供に加え、VRコンテンツを配信するプラットフォームを構築し、スポーツ観戦、アニメ、ホテル施設案内、その他オプショナルツアーをバーチャルに体験できる「Media」の3つの領域に注力する。

 また、handyのテザリングを解放し、handy端末自体をWi-Fiルータとして活用できるようにする。ただし、ホテルとhandyとの契約プランの変更が必要で、すべての導入店舗ですぐに解放されるわけではないという。

handy Japanは、ホテル向けマートフォンの無料レンタルサービス「handy」を展開するMango International Group Limitedと、シャープが設立した合弁会社handy Japan Holdings Company Limitedの100%連結子会社として2016年12月に設立された
handy Japanは、ホテル向けマートフォンの無料レンタルサービス「handy」を展開するMango International Group Limitedと、シャープが設立した合弁会社handy Japan Holdings Company Limitedの100%連結子会社として2016年12月に設立された

皆、スマホを持っているのになぜhandyか

 スマートフォンは、今やほとんどの人が個人で所有する時代だ。handy Japan 最高経営責任者の勝瀬博則氏は、「皆スマホを持っているじゃないかと言うが、違う。handyは、部屋の中のスマホを起点にした新しいトラベルエコシステム。旅行業界に革命を起こそうと考えている」と自信を見せた。

handy Japnの地域別シェア
handy Japnの地域別シェア

 日本では2017年7月から提供されており、2018年度中に国内の全ホテルの約30%に当たる約1700のホテル(約24万室)への導入を予定しているという。世界では82カ国・地域の約4000のホテル(約65万室)に採用されている。

ソフトバンク×handyのシナジー効果
ソフトバンク×handyのシナジー効果

 スタートから1年ながらも、順調にシェアを伸ばしているという。インバウンドの客が多いホテルでは、60~65%の稼働率で、6月の大阪北部地震では、「送ったメッセージのうち約半分が開けられ、多言語の災害ページに誘導した。災害という点でも、観光立国の手伝いができるのではないか」(勝瀬氏)と説明した。

「handyはIoTプラットフォーム」と宮内氏
「handyはIoTプラットフォーム」と宮内氏

 ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内謙氏は、「通信機器を提供するだけでなく、われわれの技術を提供する。目先の売り上げ利益よりも圧倒的なシェアをあげること。たくさんのお客様、ホテルチェーンが使えば結果として、利益も売り上げも上がる。いずれにせよ大事なのはどれだけ顧客満足を上げ、シェアを上げられるか。ホテル業界の仕事のしくみを完璧に変える、そこに非常に大きな意味を見出している」と語った。

今後はVRにも力を入れる
今後はVRにも力を入れる
handy Japan 最高経営責任者の勝瀬博則氏、Mango International Group Limited CEOのTerence Kwok氏、ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内謙氏
handy Japan 最高経営責任者の勝瀬博則氏、Mango International Group Limited CEOのTerence Kwok氏、ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内謙氏

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