オーストラリアの鉄道会社Byron Bay Railroadは、ニューサウスウェールズ州バイロンベイにおいて、太陽光から得た電力だけで走る電車の運行を開始した。完全ソーラー電車の運行は、これが世界初だという。
Byron Bay Railroadは、使われなくなっていた約3kmの線路や橋、古い車両などを修復し、鉄道サービスの再開に取り組んでいた。当初、ディーゼルエンジンで走る車両をレストアしてそのまま使う計画だったが、ソーラー発電技術の進歩により太陽光エネルギーのみで運行可能な見通しが立ち、エンジンをモーターに交換したそうだ。
走行に必要な電力は、車両および車庫の屋根に設置したソーラー発電パネルで作り、車両のバッテリに充電しておく。この方法で、1日の走行に必要な電力に加え、車両の照明、制御回路、コンプレッサーなど全システムで必要な電力が賄えるとしている。さらに、車両は回生ブレーキも搭載しており、減速時に発生するエネルギーの約25%を回収して使う。
十分な日差しのない期間が長く、太陽光発電で必要な電力が得られない場合は、現地の電力会社Enova Energyからの「100%グリーンエネルギー」電力でバッテリを充電する。
改造した車両はディーゼルエンジンを2機搭載しており、モーターに交換したのはその1機。交換しなかった1機は、車両の重量バランスを維持するためと、モーターによる走行が不可能になった場合の非常用に残してある。
ソーラー電車の正式運行は、12月16日に始めた。2018年1月には、運行本数を増やす予定。
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