オンラインデリバリーサービスが拡大していく中、顧客を獲得していくための激しいサービス競争も生まれ始めた。各社は、評判が高い老舗レストランを呼び水にして自社サービスの価値を高め、個人経営などの小規模レストランや話題の新店の加盟を促す戦略を取り始めている。
「Deliveroo」では、ガチョウのローストやピータンで有名な広東料理の「鏞記」や、ワンタン麺の有名店「池記雲呑麺家」、粥や麺の老舗「黄枝記」と独占提携パートナーを締結した。一方「Foodpanda」は、広東料理の名店「鴻星海鮮酒家」やモダンチャイニーズの有名店「大官廳」、米線(ライスヌードル)の「香港仔南記粉麵」と独占契約を結んでいる。後発の「Uber Eats」も、これらに続く動きを見せている。各アプリがどのように差別化を図れるかが、勝敗の行方を左右しそうだ。
デリバリー市場が成熟していない現在の日本は、競合が少なく大きなチャンスでもある。これからの時代、スマホやアプリを活用して、今まで考えもしなかったような方法で事業を伸ばしていける可能性がある。これまで出前を提供していなかったレストランや、近所のみに限定して出前をしていた飲食店にとっては新たな収入源となり、レストラン側にもメリットが見込まれる。香港では実際に、20~30%の伸びを見せている店舗もあるようだ。
中食産業進出を模索している企業は、これまでの認識をいったんリセットして、オンラインフードデリバリーの可能性も検討してみる余地はある。日本のフードサービス業界にとって、新たな成長の光になるかもしれない。
(編集協力:岡徳之)
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