訪日旅行客はどこへ行く?--増加する地方観光と、今取るべき訪日対策 - (page 3)

アウンコンサルティング2016年06月01日 11時00分

 今回の調査で、訪日客はまだまだ「ゴールデンルート」と呼ばれる、東京や関西などのエリアを中心に訪問をしている様子が伺えました。一方で、訪日客は毎月純増してはいるものの、まだ訪日が初めて、もしくは2回目という訪日客が多いのが実情です。

 各地方の施設や旅館、ホテルなどで訪日施策に力を入れている企業は多数存在しますが、まだ東京・千葉(ディズニー)・大阪・京都という観光メイン都市の存在感は強く、訪日客が日本の地方まで足を延ばす数はまだ多くないのが現状だと考えられます。



図表4:各地域別訪日回数上位5回答(観光庁 2015年年間「訪日外国人消費動向調査」より)

 アジア地域は直近で訪日客数が増加しているため、まだ訪日回数が少ない状況です。一方で、欧米を中心に20回目以上という訪日客も確実に増加しています。訪日回数が増えれば、地域を変えて観光する人の率も高まり、地方も活性化されていくのではないでしょうか。今後の再訪を考えると、彼らが日本の新たな魅力を発見する訪問先として地方に目を向けるのが推測されます。

 現時点では訪日客が向かうのは首都圏中心のゴールデンルートという結果でした。訪日客が注目されるようになったのはここ数年であり、訪日回数も1回目や2回目と少ないため、まずは観光名所に訪れるのは自然な流れかと思います。

 しかし、国によっては地方圏もきちんと視野に入っており、今後日本の魅力をさらに高めていく要素の1つになっていくと考えられます。これを踏まえ、今地方が出来る対策の1つとして認知の向上施策が考えられます。。

 今後訪日客が考える日本で行くべき場所のひとつとして、各地方が入るためには“知ってもらうこと”が重要です。まずは比較的手軽に始めることができ、かつコストがかからないSNSの活用などを通して露出を増やしていくことをお勧めします。

 日本は国として2020年までに訪日客4000万人を目標としていますが、首都圏や大阪・京都だけではこの人数はまかなえません。47都道府県それぞれの訪問数が伸びていくことで目標達成が叶うのではないでしょうか。今後の地方訪日客についても注視していく必要がありそうです。



アウンコンサルティング株式会社

1998年創業、2005年11月東証マザーズ上場。翻訳ノウハウを生かし、業界ではいち早く海外展開を推し進めてきた多言語ウェブプロモーションのパイオニア企業。主にウェブプロモーションサービスの中でもSEO・SEMを得意としている。アジア8拠点(東京、沖縄、台湾、香港、フィリピン、タイ、シンガポール、韓国)に展開し、2000社を超える実績を持つ。各国の現地ネットワークを生かし、インターネット経由での各国・各業種別のインバウンドプロモーションを提案している。

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