「われわれはユーザーが行くところに行く」とDixon-Thayer氏は述べている。こうした取り組みには、Android版Firefoxや、2週間前にリリースされたiOS版Firefoxも含まれる。ただし、Appleのルールがあるため、iOS版Firefoxの中核部分はAppleのブラウザ技術で開発されており、MozillaはiOS版Firefoxで、自らが重要だと考えるウェブ標準を前進させることができない。
Mozillaは何年も前から、モバイルの取り組み強化を図っていると述べているが、あまり成果は見られていない。ウェブ解析会社StatCounterによると、Mozillaのスマートフォンでのブラウザ利用シェアはほとんどないに等しい。Firefox OSも同様に、モバイルOSの中で存在感がない。
しかしMozillaは、モバイルデバイス向けウェブ技術の前進に貢献している。それが必ずしも直接Firefoxの役に立つわけではなくても、他のブラウザメーカーがその標準を採用すれば、この技術はウェブそのものの役に立つ。
課題はあるが、Mozillaは核となるミッションに取り組み続けている。
Cook氏は「ユーザーがウェブやアプリを利用するなかで、コントロールを取り戻せるようにしてあげられる余地は大きい」と述べる。ユーザーは現在AppleやGoogleがどれだけ自分たちに対するコントロールの度合いを強めているかを気にしていないようだが、Firefoxが今から10年前、Microsoftの「Internet Explorer」ブラウザに代わる魅力的な選択肢を示したように、状況は変えられるかもしれない。
「2003年あるいは2004年のことを思い出してほしい。当時は誰もIEのことを気にしていなかった。だが、やがて状況は一変した」(Cook氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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