見えない部分のアップグレードには、Apple独自のプロセッサ「A9」がある。内部がどうなっているかは謎というAppleのテーマは今回もそのままだ。短いデモの間だけで評価することはできないが、これがAppleの第3世代の64ビットチップだということはわかっている。Appleによると、A9は通常のコンピューティングタスク(アプリの起動など)に関して2014年の「A8」より70%高速化し、グラフィック処理(ゲームなど)は90%高速化しているという。
Appleは、iPhone 6sでは最高速度の「LTE-Advanced」を利用でき(居住している地域が対応している場合)、最新最高のWi-Fiネットワークもサポートされると述べている。
iPhone 6sとiPhone 6s PlusではiOS 9が稼働し、よりスマートになった「Siri」、最大3時間長くなるバッテリ持続時間、新しい省電力モードなど、一連のソフトウェア機能強化がすべて利用できるようになる。iOS 9は現在パブリックベータの段階で、米国時間9月16日にリリースされる予定だ。詳細についてはこちらの記事を読んでほしい。
iPhone 6s(と5.5インチの兄弟機iPhone 6s Plus)は、9月12日に事前予約が開始された。各国の店頭に並ぶのは9月25日の予定だ。
米国では、16Gバイトモデルが契約付きで200ドルからとなる(iPhone 6s Plusは契約付きで300ドルから)。
iPhoneの「s」シリーズにおける機能強化が購入に値するのか、という問いは毎年の恒例になっている。その答えは2015年も例年同様に、「現在使っているモデル次第」というところだ。多くの人にお勧めなのは、「s」バージョンだ。より磨きがかけられており、内部においてスピードが向上している。しかし、外見はあまりエキサイティングではない。
「iPhone 5s」には、Touch IDが大きな新機能として追加された。iPhone 6sとiPhone 6s Plusにとって、3D Touchがそのような機能に相当する。3D Touchは、iPhoneに対する変更として、はるかに影響力の大きなものと最終的になるかもしれない。しかし、それは、どのアプリが対応するかによる。すべてのiPhoneが3D Touchを採用しない限り、同機能が多用されることはないだろう。しかし、3D Touchの本当の使い心地を知るには、デモルームで10分以上は試す必要がある。
実際、iPhone 6やiPhone 6 Plusを2014年に買ったのなら、本当の意味で買い換えの動機になるのはカメラくらいだ。確かにスペック上は大幅に強化されている。iPhone 6でも写真は美しかったので、スマートフォンでよく写真を撮る人にとってはかなり魅力が大きいだろうし、新しい前面フラッシュは自撮り好きの人に良さそうだ。しかし、どれだけ良くなったかは、やはり使ってみなければ不明だ。
iPhone 5sかそれ以前のモデルを使い続けてきたユーザーにとって、iPhone 6sはかなり高速で、これまでより新鮮でパワフル、そして、非常に大きな飛躍を遂げたと感じられるだろう。そして、iPhone 6モデルよりも100ドル余分に支払うことになるが、おそらく価格に見合ったものとなるだろう。新しいプロセッサ速度をこの時点で入念に調べるのは難しいが、仕様上はやはり大幅に向上している。ただし、既存の端末でもすでに十分早い。
「Android」のハイスペックモデルをすでに使っている場合、iPhone 6sとiPhone 6s Plusは十分に刺激的な端末といえるだろうか?2014年のiPhone 6モデルは明らかにそうだった。3D Touchは新しいが、新型iPhoneに搭載されている他の機能はかなり慣れ親しんだもののように感じられる。Googleの音声アシスタントは、検索精度の点でも機能の豊富さという点でも、すでにSiriを上回っている。GoogleのAndroidソフトウェアの次期バージョンでは、機能が強化されていく一方だろう。iOS 9のSiri、そして、新しいiPhoneに搭載される常にオンの状態のSiriがどれほど太刀打ちできるかを見ることになる。
いつものことだが、これらの端末をレビューするまでは全体像を知ることはできない。しかし、新しいiPhoneが、新しいiPad、Apple Watch、そして、Apple TVと同じ場で発表されたことには理由がある。iPhoneだけでは驚きや興奮を呼び起こせないからだ。しかし、新しいiPhoneをしばらく待ちわびていた人たちにとって、端末をアップグレードする良い機会となると考えられる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する