スマホを自分で組み立てる「Project Ara」とは--見えてきたグーグルのモジュール式端末 - (page 2)

Jessica Dolcourt (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2015年02月23日 07時30分

発売時期

 Googleは1月、Project Araのパイロットプログラムをプエルトリコで2015年中に開始すると発表したが、正確な開始日は不明で、大まかなタイムフレームも分かっていない。Googleはこのプログラムの開始に関して、通信キャリアパートナーのClaroおよびOpen Mobileと契約済みだ。

 Project Araを率いるPaul Eremenko氏によると、プエルトリコはインターネットトラフィックに携帯電話が占める割合が75%と極めて大きいため、パイロットプログラムに適しているという。Eremenko氏はまた、同国のスマートフォンユーザーとフィーチャーフォンユーザーの割合も最適だとしている。

参加企業

 現在までに、東芝と、マイアミに拠点を置くスマートフォンメーカーYezzがパーツを製造すると発表している。東芝はAraスマートフォン向けに2種類のプロセッサ(PDFファイル)を開発し、Project Ara向けのカメラモジュールを作成した。このモジュールは5メガピクセルのユニットだ(下の動画を参照)。

 一方、Yezzはモジュール自体を作成する役目を引き受けている。とはいえ、同社はハウジングだけを製造するわけではない。基本的なモジュールだけでなく、「モジュラーアーキテクチャにインスパイアされた創意を少し盛り込んだ」モジュールもあるという。Yezzはこれから数週間、それ以上の情報は明かさないだろう。

 Yezzが唯一の参加企業というわけではないが、同社はGoogleがパイロットプログラムの開始までに用意したいと考えている20~30種類のモジュールの開発を支援する。

 主役はGoogleだ。なぜなら、同社はこのプロジェクトを主導しているだけでなく、Project Araスマートフォンのユーザーがモジュールを購入できるオンラインマーケットプレイスも所有するからだ。Project Araスマートフォンが軌道に乗れば、同社はこのマーケットプレイスから巨額の売り上げを見込めるだろう。

Araスマートフォンの販売価格

 Araスマートフォンの販売価格は、本体サイズや選択するパーツの価格など、さまざまな要素によって変わるはずだ。さらに、通信キャリアがAraスマートフォンパッケージを販売する場合は、各社が独自の価格体系を設定するだろう。

 とはいえ、Project AraのFAQには次のように書かれている。

 エンジニアリングおよび製造面での目標は、基本的なエントリーレベルのAraデバイスのBOM(部品表)コストを50~100ドルの範囲に収めることだ。これはコンポーネントのコストでしかなく、販売価格に関する数字ではないことに注意する必要がある。価格は(例えば通信キャリアの契約によって)これより高くなるかもしれないし、安くなるかもしれない。最終的に、モジュール開発者は「Ara Module Marketplace」で販売する自社のモジュールの価格を設定できるようになるだろう。現在、モバイルアプリ開発者がアプリストアでアプリの価格を設定しているのとよく似た形だ。

 通信キャリアの契約や販売方法によっては、最終的に同じスペックの従来型携帯端末より高くなるのではないか、という懸念もある。

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