Gear Sはそれ自体、スマートウォッチと言える。しかし汎用の通知機能は用意されていない。このためTwitterやFacebookなど、携帯電話に表示されるような通知を期待しても無駄だ。テキストメッセージや電話の着信時には通知が表示されるものの、他の電話に表示される通知は何らかの転送機能を設定していない限り表示されない。
データ通信サービスを契約しているのであれば、携帯電話とペアリングしなくても使える複数のクールな機能がある。かかってきた電話には、組み込みのスピーカーフォンや、Bluetooth接続ヘッドセットを使って応答できる。筆者は、スマートウォッチに装備されているスピーカーフォンを使った通話はあまり好きではないが、サムスンのGear製品のようなハンズフリー通話という、Android Wear搭載機器ではできない機能を評価する人々もいる。Gear Sだけでハンズフリー通話が実現できるというのは一部の人々にとってものすごく魅力的なことなのだろう。なお筆者は、Motorolaのとても風変わりでクールな耳栓型ヘッドセット「Moto Hint」と連携させてみた。それだけで、筆者の腕にはめたスマートウォッチにかかってきた電話に、ほとんど目立たない耳元のヘッドセットを通じて応答できるようになっていた。
通話品質の評価は明暗入り交じったものだ。その理由は、マンハッタンにある筆者のオフィスではSprintサービスの電波がアンテナ1本分しか立たないという点と、Bluetoothヘッドセットがスマートウォッチからの音声信号を取りこぼしたりしていた点の双方にある。なお、Gearの「Samsung」アプリを設定していると連絡先は自動的に同期される。また、タッチスクリーンを使えば指を使ってダイヤルできるが、これは簡単ではない。このため筆者は通常のスマートフォンに手を伸ばしたくなった。
これとは別に、Gear SはTizenをベースにしたGearアプリのエコシステムに属しているという大きな問題がある。どんな問題かって?このスマートウォッチに興味深いことをさせたいのであれば、エコシステムが必要不可欠という話なのだ。Gear Appのマーケットプレースには魅力あるアプリが十分そろっておらず、携帯電話のデータ通信機能を意味のあるかたちで活用しているアプリもほとんどない。ただ、言及に値するアプリはいくつかある。Gear Sに楽曲をストリーミングする「Milk Music」(米国で提供されている)はインターフェースが優れているため、息子と遊んでいる間も腕の上で1940年代のジャズを再生させることができた。また、ランニング用のアプリ「Nike+」はスタンドアロン形式のフィットネストラッカーとして極めてよくできているうえ、Nikeアカウントを用いてクラウドと同期できるため、Gear SをGPS搭載のランニング用腕時計に変身させられる。しかし、これらのアプリをダウンロードしたり管理するにはサムスンのスマートフォンを用いる必要がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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