4月23日、ハイブランドのバーバリーが初めて、中国国内でのオンライン通販に乗り出した。販売サイトとして選んだのは、天猫である。
価格はイギリス本国の公式サイトと同一だが、注文してから手元に届くまでに時間が圧倒的に違う。公式サイトで購入すると、イギリスからの商品発送のため時間を要していたのに対し、天猫内のサイトだと国内発送のため、3日前後で受け取ることができる。新たにオープンした本サイト、天猫のユーザーを獲得できるので、イギリスの公式サイトよりもPV数が圧倒的に高いのも特徴の1つだ。
天猫内での売れ筋は、主に300~500元の香水、2000~3000元のセーターやポロシャツなど、実店舗での売れ筋と差はない。購入された最高値の商品は、4200元(約7万3080円)の財布だった。バーバリーも発送日から15日以内であれば、返品が無料になる(実店舗での返品不可)。しかしオープンから18日間の販売件数132件に対し、返品が32件、返品率が26.4%であった。これは天猫のアパレル平均返品率である7.21%を大きく超えている。
返品率が高い要因は3つある。まず、ハイブランドであるため価格が高く、その分ユーザーの期待値も高いが、手に取ってみるとイメージと異なるということである。次に、アパレル製品、ましてや海外製品では、サイズ違いがより生じやすいことである。最後に、返品サービスを利用して、迷っている2色を購入し、商品を見て気に入らない方を返品しているユーザーがいることである。
ブランド志向の高まりを見せる中国だが、正規の値段で購入するというより、前回紹介した「独身の日」などのスーパーセールのタイミングで購入するユーザーが多いのも事実だ。世界のバーバリーが天猫に店舗を開設したというニュースは当初、相当話題になったが、これからは公式サイトよりも30~40%安い、海外代理購入サイトが競合になりそうだ。
次回は、越境EC、ECのオープンプラットフォーム化、O2Oブームの真相について紹介する。
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