CNET Japan Live 2014 Summer

アカマイと考える--M2M/IoTを実ビジネスに取り入れるための3つの勘所 - (page 4)

 新村氏は「データの鮮度は非常に難しい問題」と指摘した。「ビジネスのアプリケーションやニーズから検討しなければいけないためにAkamaiは門外漢かもしれない」と前置きして新村氏はこう解説した。「社内の事例で考えたことがあるが、何かの目的でセンサや端末からデータを取り出すことをリアルタイムにフィードバックしなければならない場合は非常に気を使う」

 たとえば工場にあるプラントや機器の制御で、数秒から数十秒でデータを集めて分析して制御しなければならないとして、これを世界規模でやろうとすると大変になるという。さまざまな軸で分析するだけの時間がないからだ。この場合であれば、「定型的なデータの集計と制御するパターンを決め打ちしてデータを集めながら分析して、最初の集計時間で結果を出してフィードバックするメカニズムが必要になる」

データの鮮度に応じた仕組みを考える必要がある
データの鮮度に応じた仕組みを考える必要がある(アカマイ提供)

 同社は、15万台のサーバの稼働状況を10秒単位でリアルタイムに集めて管理している。たとえば、ひとつのISPにあるAkamaiのサーバ群が落ちてしまったときには、そこを使っていたユーザーは20秒以内につなぎ替えられる。

 この仕組みは、基本的にはHTTPログから必要項目を抽出して、収集過程で積算しながら収集しており、データが集まったときにはある程度の分析が終わっているという。これにより総転送量と分析システムの計算負荷の低減を図り、時間短縮も実現しています。「このシステムに注目して見学に来られるメーカーもいる」と説明する。

 その対極として、新村氏は「ビッグデータと呼ばれる統計目的のものがある」と解説した。大量のデータを集めて商品戦略やビジネスの企画などに反映させていく場合、データの収集から分析、アクションまでの周期は早いものでも数日、遅いものでは数カ月以上になる。

 分析パターンも非定型的なもの、分析に必要となる豊富なパラメータを漏らさず集めるという状況になる。こういう用途ではネットワークの問題というより、どのようなデータをどこから集めるのかが重要になってくると説明した。

 これらの中間に位置づけられる膨大なアプリケーションのエリアがある。この場合は、次の周期のアクティビティに反映させたいものによって決まることになる。新村氏は、その身近な例として自動販売機の在庫管理が挙げた。すなわち、数時間や数日の間隔でデータを収集、分析する領域という。こういったケースの場合、分析は定型的とし、在庫管理なら一定の発注点を探るための単純な分析になるとしている。この場合では、単にデータをかき集めて1カ所で処理できるメカニズムで十分だとした。

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