さて、MacBook ProからMacBook Airへと環境を乗り換える作業を始める。MacBook Proには512Gバイトのストレージがあるが(現在の空き容量はおよそ100Gバイト)、最も安いMacBook Air 11インチモデルには128Gバイトしかストレージが用意されておらず、全てのデータを移行することができないことは明らかだ。
またテスト期間が5日ということもあり、ひとまず原稿やコミュニケーションなど、仕事で使うアプリやデータを中心に移行することにした。
まずはアプリだが、現在使っているアプリの多くはMac App Storeからダウンロードして使っている。一度購入しているアプリは、他のマシンからも同じApple IDでログインすれば再ダウンロードが可能で、Mac同士をつないでデータ移行したり、インストールDVDを用意したりする必要もない。もっとも、筆者のMacBook Proにもお借りしたMacBook Airにも、DVDドライブの類は搭載されていないので、使いたいなら別途用意する必要がある。
Mac App Storeからは、iLife、iWorkのアプリに加えて、Evernote(クラウドメモアプリ)、Jedit X Standard(テキストエディタ)、Coda 2(コードエディタ)、Mars Edit(ブログ投稿アプリ)、Echofon for Twitter(Twitterクライアント)、Air Mail(メールクライアントの「Sparrow」と併用しながら、どちらがよいか未だに迷っている)をダウンロードして、普段使うアプリのセットアップは完了させた。
また、日本語入力ソフトとして利用しているATOKは、ATOK Passportという購読型サービスを利用しているため、こちらもダウンロードし、辞書を同期すれば普段使っている日本語入力環境が構築できた。また、ブラウザはSafariとChromeを併用しているため、Chromeもダウンロードした。
次に作業ファイルだ。普段のメモやノートはEvernote、ファイルは共有しているものも含めてDropboxで管理している。そのため、アプリ同様、こちらもMac間でデータをコピーするのではなく、クラウドからダウンロードしてくればよい。
Mac App StoreからEvernoteアプリをダウンロードし、初回起動時に同期をかけておけば、普段使っているノートの環境がそっくりそのまま新しいMacBook Airにも再現される。およそ5.5Gバイトほどのダウンロードとなった。
前述の通り、MacBook Airのストレージは現在使っているマシンのおよそ4分の1しかない。そのため、Dropboxについては、保存している全てを同期してしまってはストレージがあふれてしまう。例えば筆者のDropboxには53Gバイトほどのデータが保存されているが、これを全て同期したくない。そこで、Dropboxの選択同期機能を利用する。
通常Dropboxは保存している全てのファイルを手元のPCと同期して、最新の状態に保ってくれる仕組みだが、設定画面から同期するフォルダを個別に選択できるようになっている。チェックを外したフォルダは、PCには同期されないため、その分のローカルストレージを節約することができる。
普段使わないが保存しておきたいファイルは、同期しない設定をしたアーカイブ専用のフォルダに入れておくことで、手元のストレージの節約や不用意に削除してしまうことを防げるのでおすすめだ。また、ブラウザからDropboxにアクセスすれば、閲覧やダウンロードが可能だ。
2年間、同じマシンを使い続けてきたため、あまり意識したことがなかったが、マシンが変わると困るのが、パスワードの再入力だ。Wi-Fiのパスワードや、ウェブサイトへのログインなど、さまざまな場面でパスワードが求められ、これらの管理は非常に頭を悩ます人も多いだろう。
Macは、iPhoneやiPadと同様に、iCloudに対応しており、パスワード管理を行う機能であるiCloudキーチェーンを利用できる。ブラウザはSafariからしか利用できないが、クレジットカード番号など記憶し、新しいマシンからも利用できる点は便利だと感じた。
また、よく行く場所に設置されているパスワード付きのWi-Fiを利用しようとした際にも、既に記録されているパスワードを利用して自動的にWi-Fiを拾ってくれた点も快適だった。
MacBook ProからMacBook Airへの移行は非常に快適に進んだ。おすすめは、土曜日の夕方に一連の作業をして、日曜日の朝まで放っておくことだ。クラウドからのダウンロードや同期が多いため、いくら回線速度が速くても、数時間の時間がかかるからだ。
初期状態でアプリや日本語環境などを整えれば、ほとんど快適に使える状態になる。ただ、それだけではなく、例えば壁紙やウィンドウの色、選択した際の色、Dockの自動拡大・縮小・隠すといった設定をしながら、普段自分が快適に使っている通りの環境に整えるにはもう少し時間がかかる。往々にして、細かすぎて気づかない設定を行っていたりするからだ。
個人的におすすめなのは、画面の角にマウスカーソルを移動させると機能が起動する「ホットコーナー」の設定だ。トラックパッドでは2本指、3本指、4本指のジェスチャーを利用するが、これに加えて、通知センターの表示やウィンドウを片付けてデスクトップを表示する、スクリーンセーバーの起動などを割り当てると、マウスでより自在にMacを操ることができるようになる。
こうしたカスタマイズも含め、ぜひ好みの環境をみつけて欲しい。
次回は、モバイルで作業をする際の使い勝手やバッテリの持ち具合などについてお伝えする。
新MacBook Airレビュー(2)--MacBook Proから移行し快適になったこと、困ったことCNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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