ただし、現状多くのFirefox OS搭載端末は、iPhoneやAndroidスマートフォンと比べると性能が劣ることから、他のモバイルOSと遜色のない快適な動作を実現することが最も苦労した点だったと岡本氏は振り返る。デバイス固有のAPIを直接制御する方法もあったが、あえてソフト的な処理だけで快適なフィルタ処理を実現させたそうだ。実際、MWC2014の会場では違和感なくcameranアプリを操作することができた。
もっとも現在、Firefox OS版cameranで提供しているのはフィルタ機能のみであり、友人同士で写真を共有し合うコミュニケーション機能は搭載されていない。これについては「Firefox OSで初めてスマートフォンに触れた人も多い。最初から多くの機能を搭載する形で提供すると、ユーザーに混乱を与える」(岡本氏)と説明。今後は徐々に機能を増やしたり、SeeSawで動画を展開したりする予定だ。
日本ではKDDIがFirefox OSを支持しており、2014年度中にも同OSを搭載したスマートフォンを国内に投入する予定。そのため、リクルートの日本での取り組みも気になるところだ。この点について岡本氏は「日本では利用頻度が高いホットペッパー グルメなど、生活に根付いたアプリの展開を進めることになる」と国内外での違いを説明。ただしFirefox OSは、日本での成否が未知数であるため、アプリの本格提供にはリスクもあるが「まずはユーザーに体験してもらうことが重要」(岡本氏)とした。
最後に岡本氏はMozillaとの協働について「Mozillaと組むのはリクルートとしてもエポックメーキングなこと。Firefox OSのオープンイノベーションが、日本のスタートアップを活性化する突破口になる。汎用性の高いHTML5を推し進めることで、日本をシリコンバレーに負けないマーケットにしたい」と期待を寄せる。ただ、HTML5ベースでのアプリ開発が広まるには数年かかることも理解しているという。「XMLも、ブログの登場でブレイクするまで数年かかった。HTML5も、年数が経過してブレイクする時まで積極的に展開していきたい」(岡本氏)。
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