IVS 2013 Fall

ネット時代のメディアはどうマネタイズすべきか--日経新聞、東洋経済、ヤフー、nanapiらが激論 - (page 2)

岩本有平 (編集部)2013年12月03日 22時18分

ジャーナリストであることが重要なのか

関口氏:ではジャーナリストというのはどういう人なのか。1億ジャーナリストになれる今の時代、どうしたら新しいメディアが作れるのか。

佐々木氏:組み合わせではないか。最近痛感するのは二流三流のジャーナリストより、現場の人の方が面白いし、数字が取れるということ。

 しゃべりさえうまければ、ライターを使ってすぐ文章化できる。面白い経験と意見があれば、そこら辺のジャーナリストよりおもしろくなる。そこをどう取り込めるかにメディアの成功の鍵がある。

関口氏:それは誰が胴元になるのか。

佐々木氏:それは我々メディアがやるべきこと。

古川氏:メディアとしての“胴元”が本当に必要なのか。SmartNewsやGunosyなどが出てきて、「メディアって何だろう」と考えている。着地するページさえあればそれでいいのではないか。

 自分のブログが年初にヤフトピに載ったが、Yahoo!ニュースですら着地を個人ページにしている。私が1つブログを書くと5000〜1万円になるようになってきたので、収入的にもなり立つのではないか。

藤代氏:メディアは誰でも立ち上げることができる。逆に言うと、ECサイトの店主がストーリーを書いてECサイトの商品ページに流すなどしても、それが1つのメディア。ニュースメディアだけがメディアじゃない。広く考えれば古川さんみたいに社長がメディアだったりするし、そのメリットはお金に換えられないものがある。

友澤氏:そこにはマネタイズを意識するか、自分のスキルアップや満足のためにやるかという話がある。儲けるにはディストリビューションとメディアパワー。コンテンツを作ることは誰もができるようになった。

メディアの苦労について

関口氏:いままではインフラがあってメディアが成り立っていた。新聞社の輪転機でも、テレビ局の電波でも、構造的に参入できなかった。それがネットで崩された。今はどういう所で苦労しているか。

佐々木氏:広告が伸びているが、単価がやすいのが悩み。ビッグデータやコンテンツマーケティングを勉強している。日経新聞のような大手であれば課金ビジネスができるが、他は厳しいところが多い。広告の単価をどう上げるかを考えている。

 紙媒体との連動する話もあるが、我々はメディアを分けたのでそこはできない。日経新聞や日経ビジネスなどはうまくやっているのではないか。

藤代氏:今は運営から離れた大槌みらい新聞(岩手県大槌町で東日本大震災後に発行していた地方紙)は月50円で売っているが儲からない。一番儲かったのは写真展。おばあちゃんが撮った写真とTシャツを販売した。あとはクラウドファンディング。

 ファンが買ってくれるということもある。メディアにコミュニティの価値がでてきて、どういうことができるのかを考えている。

関口氏:日本では、テレビについてはまったく手つかずの状態。今、総務省でスマートテレビについて話しているが、まだ放送波の中に閉じ込めようとしている。もっとビジネスチャンスがあるのではないか。

佐々木氏:先日堀江さん(貴文氏)と話したときには、例えば東京メトロポリタンテレビジョンを買ってコンテンツを流していくということを話していた。

あとは、Netflixのように、「見たいコンテンツ」をネット側から出していくことではないか。

古川氏:そこで入りやすい“第一歩”は、テレビでやっているコンテンツをネットにちゃんと持ってくるということ。NHKなどはコンテンツを1〜2分で読めるようにまとめて配信している。まずは権利で問題のかからないところで持ってくるとか。

関口氏:民放はどんな状況か。

古川氏:WBSさん(テレビ東京のニュース番組「ワールドビジネスサテライト」)などは積極的にやっている。

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