AT&Tの無線ビジネス向け事業開発担当のバイスプレジデントであるDavid Haight氏は、「アプリに1度料金を支払えば、どこにでも持っていけるということを基本的な信念」としていると述べつつも、そうしたアプリのビジネス面には未確定の部分が多いことを認めている。
自動車メーカーはみな両方の選択肢を検討している。アナリストは、自動車業界は両方のモデルの組み合わせで落ち着くだろうと考えている。
「Android」と「iOS」の争いは忘れてほしい。アプリのファンはGMとFordのどちらかを選ばなければならないという状況がやってくるかもしれない。
現在、事態はその方向に向かっている。GMのような企業は専有する独自プラットフォームを推し進めており、消費者にとっては頭の痛い状況になる可能性がある。GMの自動車でいくつものアプリを使っている運転者が、トヨタ自動車や本田技研工業の車に乗り換えることは可能だろうか。あるいは両方の自動車を持っているが、アプリはそのどちらかでしか動かないとしたらどうだろうか。
これは開発者にとってもいら立たしい状況だ。確かにGMは数百万台規模の潜在市場を約束している。しかしそれはFordやトヨタ自動車、そのほかの自動車メーカーも同じであり、開発者は難しい状況に立たされる。
「iHeartRadio」というアプリを開発しているClear Channelのデジタル担当プレジデントであるBrian Lakamp氏は、「自動車というのはいらいらさせられると同時に非常に刺激的でもある」と話す。「製品化までの時間はたいてい1年か、場合によっては2年以上かかる。また自動車では、ほかのプラットフォームほどの標準化が進んでいない」(Lakamp氏)
Chan氏は自動車業界が1つの共通プラットフォームに落ち着くことを望んでいる。
「消費者向け電子機器業界は共通の標準を設定することで、イノベーションの推進に成功してきたことをわれわれの業界は理解している」とChan氏は述べた。しかし同氏は、共通の標準を設定することと、ブランドやサービスの差別化の間のトレードオフをめぐって、今後の交渉が必要であるとしている。
AT&TのHaight氏は、それには時間がかかるだろうと述べた。
「(自動車メーカーは)みな違った立場にいるが、同じ場所に向かいつつある。業界が1つになろうとしている」(Haight氏)
しかし、そうした日がすぐに訪れることを疑問視する声もある。
「自動車業界はフェアプレーが不得手だ」(Koslowski氏)
Verizon Telematicsのような企業は、誰でも使えるアプリストア作成の支援を求めて自動車メーカーが自分たちのところにやって来るのを、一歩離れたところで待っている。Taylor氏は、自動車メーカーが、アプリストアの運営は自社の専門領域とはかけ離れており、Verizonのような会社が必要な支援を提供できることに気付くだろうと語っている。同じようにHaight氏は、AT&Tが、最終的には自動車メーカーのための共通プラットフォームとして機能できることを期待して、コネクテッドカー部門に多くのリソースを費やしてきたと語っている。
いかなる状況になったとしても、ドライビング体験は今後数年間で劇的に変わろうとしている。それが良い方向へと変化する可能性は高い。
「自動車業界は人の心を動かすものをつくる方法を見つけるだろう、と私は確信している」(Koslowski氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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