GoogleのモバイルプラットフォームであるAndroidと、検索エンジンが優勢であることも後押しになっている。Schmidt氏は、1年か2年のうちに20億台近くのAndroid搭載スマートフォンが使われるようになり、現在の7億5000万台超から増加すると述べている。「人々がスマートフォンを見かける時、主に使われているのは間違いなくAndroidだ。われわれの目標は、あらゆる人がAndroidを使うようになることである」(Schmidt氏)
Appleも音声アプリケーションへのシフトを認識しており、「Siri」サービスを提供している。しかしAnthony氏は、SiriはGoogleの「Voice Search」に比べれば「付加的なソリューション」だとしている。「Googleは音声をありとあらゆる言語に変換することに多大な努力を払っており、開発者へのサポートも提供しているので、そうした点でAppleよりも勝っている」(Anthony氏)
Googleは、話しかけることのできる、世界的な個人用デジタルアシスタントの提供では前進しているが、それは初期段階にあり、生まれたばかりではないものの、成熟するのはまだ先だ。Googleの「Knowledge Graph」は、5億7000万件以上の事物と、180億以上の事物の関連性からなる意味ネットワークだが、これは音声検索をより会話的にするという同社の試みの重要な要素である。Googleの共同設立者で最高経営責任者(CEO)のLarry Page氏は、2012年第4四半期業績発表でKnowledge Graphについて話している。「完ぺきな検索エンジンとは、あなたが意味するところを正確に理解し、あなたが求めることを正確に与えるものだ。われわれのKnowledge Graphは、それを大幅に実現に近づけている」(Page氏)
Page氏はその後、Knowledge Graphの状況について詳しく説明した。「われわれはその初期段階にいると考えている。まだ1%ほどしか達成できていないはずであり、将来何ができるかを考えると非常に興奮する」(Page氏)
Googleの検索ランキング担当チーフのAmit Singhal氏は、SlateのFarhad Manjoo氏によるインタビューで、「スター・トレック」のコンピュータのように、ユーザーを「理解」する高機能の人工知能を作るという同社の挑戦について、より楽観的な見方を示した。
Singhal氏は、「現在われわれはそれを、1日に2回使うユーザーの『歯ブラシ型テスト』に合格する段階まで持っていこうとしている」と述べ、それは3年以内に実現するだろうと予測した。その時には、Googleの「スター・トレック」的マシンは、質問をすると少なくとも1日に2回は正しい答えをするようなレベルになっているとSinghal氏は言う。「そして5年後には、それなしで暮らすことは考えられなくなるだろう。あなたは現在の検索エンジンのことを思い出して、『本当にあんな風に検索していたのだろうか』と言うようになるはずだ」(Singhal氏)
今後、メガネ型や腕時計型、バンド型などのウェアラブルデバイスが普及すると、自分のマシンと会話することが必要になる人は増えるだろう。ABI Researchは、ウェアラブルデバイス市場が今後5年で、年間出荷額4億8500万ドルへと成長すると予測している。
3年後の段階で1日に2回正しい答えをするのは、音声検索が普及するには十分ではないかもしれない。しかし5年あれば、人間とコンピュータが音声によってより会話的なやり取りをしたり、Knowledge GraphへのPage氏の評価が現在よりも良くなったりするには十分かもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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