グーグルに迫る新たな脅威--「Android」上の支配力に「Facebook Home」がもたらす影響 - (page 2)

Shara Tibken (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年04月12日 07時30分

 Androidが無料のオープンソース製品であるのには理由がある。Googleは売り上げの大部分を、スマートフォンそのものに表示される広告で生み出しており、その検索や電子メール、そして関連製品にアクセスするユーザーに頼っている。Facebookは4月4日のFacebook Homeの発表では、独自の検索ツール「Graph Search」について言及しなかったものの、同社がそうした検索機能を新製品に追加するのは想像に難くない。またFacebookが、競合する独自のアプリストアを立ち上げたり、地図プログラムを構築したりするつもりがないと言えるだろうか。

 結局のところFacebookとGoogleは、Googleがソーシャルネットワークに参入したり、Facebookが検索に手を広げたりするなど、絶えず多くの分野でぶつかり合っている。モバイルはこの2社にとって重要な戦場であり、両社とも市場を支配しようとすることは目に見えている。現在のところ、Androidが圧倒的に普及しているGoogleがかなり優勢な立場にある。

 OvumのアナリストのJan Dawson氏によれば、FacebookはFacebook Homeによって、モバイル端末でのユーザーの行動をより詳しく追跡したり、より多くの広告を表示させたりできるという。どちらもGoogleがAndroidから得ている重要な強みだ。

 「Facebookがモバイル端末向けのOSを作らないとするならば、これは2番目に良い方法だと言える」(Dawson氏)

 現在のところGoogleはFacebook Homeについて、中立の姿勢を保っている。

 Googleの関係者は次のように述べている。「Androidプラットフォームは、数多くの異なる種類の端末の開発を促進してきた。最新の端末が示しているオープン性と柔軟性は、これまでのAndroidの広い普及に貢献してきた」

 一方、Facebookの最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は4月4日の発表の中で、Facebook Homeが実際には「Androidとって非常に良いもの」であることを述べている。Facebook Homeによって、アプリ開発者はAndroidに「高品質なエクスペリエンス」をもたらすはずだからだ。しかし同時にZuckerberg氏は、Facebook Homeが最初に登場するのがAndroidであって「iOS」ではないのは、AndroidではFacebookがやりたいことを何でもできるからだと述べている。

 「GoogleのAndroidはオープンなので、われわれはGoogleに一緒に働いてもらう必要がない」(Zuckerberg氏)

 このシンプルなコメントは、Facebook Homeに関する2社の立場をはっきりと示しているように思われる。Googleはオープン性を保つという約束のために、表面上はHomeに反対していないが、それについて喜ぶことはできない。

 もちろんZuckerberg氏の言い分が正しく、Facebook HomeがAndroidに利益をもたらす可能性はある。Facebook Homeが本当に軌道に乗れば、人々がAndroid搭載端末でHomeを使うために、「iPhone」を使うのをやめることもあり得る。そしてFacebook Homeが軌道に乗っても乗らなくても、ユーザーの大部分がつねにFacebook Homeにとどまって、ほかのアプリにアクセスしなくなるという事態は起こりそうにない。

 いずれにしてもGoogleは、Facebookの取り組みと、Zuckerberg氏が次にひそかに用意しているものをしっかりと監視してくことだろう。

Facebook Home
Facebook Home
提供:James Martin/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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