「BlackBerry Z10」レビュー--デザインやハードウェア、パフォーマンスなど紹介 - (page 3)

Jessica Dolcourt (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2013年02月15日 07時45分

カメラと写真/動画

 長い間、BlackBerryのカメラには不満の声が数多く上がっていた。しかし、それは過去の話だ。Z10には背面に8メガピクセル、前面に2メガピクセルのカメラが搭載されている。いずれも720pのHD動画を録画でき、背面のカメラは1080pのHD動画も撮影できる。

提供:Jessica Dolcourt/CNET
Z10のカメラを使って屋外で撮影した、明るく素晴らしい写真。
フル解像度による花の画像はこちら。トリミングしている以外は手を加えていない。
提供:Jessica Dolcourt/CNET

 背面カメラはオートフォーカスや5倍のデジタルズームに加えて、バーストモードと手ぶれ補正のオプションが搭載されている。撮影するには、いずれかのボリュームロッカーボタンを押す。また、一連の写真を撮影し、時間軸に沿ってベストなものを選択できるという「TimeShift」モードも搭載されている。さらに、シーンモード(アクションや夜間など)が指定できるとともに、4:3や16:9の画面アスペクト比で撮影することもできる。

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CNETの編集者Jaymar Cabebeはどんな時でも、絶対にカメラの前でポーズをとらない。
フル解像度によるJaymarの写真は、大量のノイズが出ている。
提供:Jessica Dolcourt/CNET

 オートフォーカス機能が搭載されているものの、焦点の合わせ方は直感的ではない。画面のどこかをタッチするとシャッターが下りるようになっているため、画面上で焦点部分を表している枠はドラッグするということを知っておく必要がある。

 新進気鋭の写真家であれば、オプションや指定が不足しているとも感じるはずだ。ハイダイナミックレンジ(HDR)や、ISO感度の設定、グリッド、ジオタグ、低解像度設定といった機能はいずれも搭載されていない。また、筆者が最も気になったのは、大きく響き渡るシャッター音を止める方法がないという点だ。

 ほとんどのカジュアルユーザーは必要以上の機能を欲していないという携帯電話メーカーの主張を耳にしたことがある。しかしユーザーに対して、デジタル一眼レフカメラではなく携帯電話のカメラを使ってほしいと考えているのであれば特に、メーカーはさまざまな機能を搭載しておいた方がよいと筆者は考えている。


屋内で撮影した、キュートなぬいぐるみの写真。毛の1本1本まで見分けることができる。
フル解像度にしても、このぬいぐるみ本来の視覚情報はあまり失われていない。
提供:Jessica Dolcourt/CNET

 ツールの物足りなさに比して、画像の品質は極めてまともである。当然のことながら屋内よりも屋外の方が、あるいは十分な環境光のある場合や、被写体が安定している場合の方が、質の良い写真が撮れる。一部の写真は、フル解像度にするとノイズの多さが目立つものの、それ以外の場合、Z10のカメラは他社製のもの(例として筆者は「HTC Droid DNA」で撮影した写真と比較してみた)よりも細かいところまできれいに写る。

 では、動画の評価に移ろう。筆者の期待は裏切られなかった。映像はクリアであり、音声もなかなかのものだった。また、クリップの再生もコマ落ちすることなくスムーズに行え、粒子の粗さも見られなかった。

 動画撮影に関しても、設定オプションはほとんど用意されていない。手ぶれ補正はデフォルトで有効になっているものの、無効化することはできる。また、フラッシュを使うかどうかも指定できる。ただし、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)用に動画サイズを制限したい場合、自ら撮影時間を短くすることで対応する必要がある。


横断歩道のボタンボックスの鮮やかな色が印象的だ(画像はリサイズ済み)。
提供:Jessica Dolcourt/CNET

 筆者は2メガピクセルの前面カメラを、BlackBerry Messengerを用いたビデオチャットで主に使用したが、3倍デジタルズーム機能や動画撮影機能を活用したセルフポートレートの撮影も可能だ。筆者はこのカメラで撮影した写真に大満足しているわけではないものの、2メガピクセルのカメラで撮影したものとしては十分な画質である。とは言うものの、筆者であればビデオチャットのためだけに使用するだろう。

 ここでフォトアルバムについて書いておきたい。スクリーンショットや、カメラで撮影した写真が一緒くたに保管されるというBlackBerryのやり方は優れているとは言えない(ただしこれは「iOS」でも同様だ)。スクリーンショットはごくたまにしか取得しないという場合には気付かないかもしれないが、携帯電話のレビューをしている人間にとって、これらが区別されないというのは気になる点だ。新たなアルバムを別途作成することはできるものの、写真アプリから行う方法はまったく明らかにされていない。結局筆者は、BlackBerryの親切なカスタマーサービスから、ファイルマネージャアプリ(!)を使ったフォルダの作成方法が記された箇条書きの説明書を入手した。つまり、この携帯電話上で行いたい簡単な作業のために、ファイルマネージャを使わなければならないというわけだ。


冬の明るい日差しの中で撮影した写真。緑のペンキがはがれて浮いてきている。その浮き上がったペンキの端も浮いてきている点に注目してほしい。
提供:Jessica Dolcourt/CNET

 BlackBerryは「StoryMaker」というアプリを推している。これは動画や写真、楽曲を組み合わせて、ちょっとしたマルチメディア作品を作り上げるためのアプリだ。これはキュートではあるものの、筆者にとってあまり直感的ではなく、機能が豊富なわけでもない。筆者の印象では、若者向けにターゲットを絞った機能限定版という感じであった。

 しかしここで述べておきたいのは、トリミングや回転、傾きの補正、赤目の修正、複数のフィルタ適用といった機能を持つ、非常に優れた写真編集ツールが組み込まれているという点である。下の写真は、コントラストやホワイトバランスの調整、およびノイズ除去のための画面だ。このアプリはすべての機能がそろった直感的なものになっていると感じられ、筆者の意見ではBlackBerryのカメラ関連の機能において最も価値があると言える。


Z10に組み込まれている写真編集ツールはとても優れている。
提供:Jessica Dolcourt/CNET

 筆者の理解では、Z10の設計者はカメラ機能を削減し、編集機能でまかなおうとしているようだ。しかし、これら2つの機能は互いに連携し合うべきだと筆者は考えている。写真の完成度を上げるために多少の冗長さがあっても誰も文句は言わないはずだ。

 Z10では、マルチメディアデータの保存用として16Gバイトのフラッシュストレージを搭載するとともに、2GバイトのRAMを搭載している。また、microSDカードスロットには64Gバイトまでのカードを使用できる。

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