【第5回】日本のソーシャルメディアマーケティング事例 - (page 2)

長谷部竜也(アジャイルメディア・ネットワーク)2012年08月24日 08時00分

活性化/ナイキ「NIKEiD×mixiソーシャルバナー」

  • 参考:NIKEiD Japan 公式mixiページ

 「NIKEiD×mixiソーシャルバナー」(2011年5~6月)は、話題化や活性化を目的とした短期的なキャンペーンであり、グランズウェルの5ステップにあてはめるとまさに「活性化」の部分にあたる。

 ソーシャルバナーとは、通常のバナーの発展型であり、企業が制作した1枚の画像が表示されるのではなく、友人の投稿による画像が表示されるというもの。NIKEiD×mixiソーシャルバナーでは、友人がデザインしたシューズが順次表示されていた。

 NIKEiDのソーシャルバナー広告は、mixiのソーシャルグラフ(ウェブサイト上での人間の相関関係やつながり)を活用しているが、具体的には、mixiのNIKEiDサービスサイトで、自分の好みのシューズをデザインカスタマイズすると、そのデザインが友人のページにバナーとして掲載される仕組みだ。

 ソーシャルバナーの特徴は企業が商品をアピールするのではなく、友人が自分で作ったオリジナルデザイン商品をバナーでアピールできるようにすることで共感を得やすく、深い認知を獲得できるものである。このキャンペーンは、3週間で約213万人が参加し、大きな成果を残した。

  • 【参考】mixi/NIKEiD Japan(キャンペーン時は公式mixiページサイトは開始されていなかった)

活性化/本田技研工業「Ole! Ole! CR-Z」

  • 参考:Honda 本田技研工業 公式mixiページ

 本田技研工業の「Ole!Ole! CR-Z」(2010年2月)は、NIKEiDと同じく、グランズウェルの5ステップ目「活性化」の部分にあたる。当時、日本における史上最大のソーシャルプロモーションと言われた事例だ。

 NIKEiD同様、mixiでのソーシャルグラフを利用している。具体的には、自分のmixiニックネームに「健太郎CR-Z」や「みかんCR-Z」など「CR-Z」を入れて、特設アプリへ行くとキャンペーン参加資格が得られるというもの。サイコロを1日に1回振ると豪華賞品の当たる確率が引き上げられる仕組みを採用した。

 ニックネームにCR-Zというキーワードを入れるだけという手軽さや、言葉の掛け合わせによる面白さもあいまって参加者は急増した。結果として、約1カ月半で80万人以上が参加した。参加すればするほど当選確率が上昇する仕組みも成功要因の一つと考えられるが、普段友人とやりとりしているニックネームにCR-Zが突然入ったことによるインパクトと面白さ、気軽にできる参加方法も大きな要因だと考えられる。

  • 【参考】mixi/Honda 本田技研工業(キャンペーン時は公式mixiページサイトは開始されていなかった)

活性化・支援/ユニクロ「UNIQLOOKS」

  • UNIQLOOKS

 「UNIQLOOKS」(2011年2月~現在)は、ユニクロのグローバル戦略の一環として、世界で9億人以上が利用している共通のソーシャルメディアプラットフォームFacebookを活用した代表的事例。UNIQLOOKSとは、ユーザーによる全世界的規模のファッションコンテスト。

 これは、世界中の人がユニクロのファッションコーディネートを画像で投稿しあい、共有し、コミュニケーションがとれるコンテストだ。各国のユニクロファンによる着こなしを見ることができ、楽しめる。さらに投稿した人は、自分の日常のファッションセンスを自慢でき、まるでファッションモデルになった気分を味わうことができる。しかも、そのコーディネートされているアイテムは、各国のECサイトにて直接購入できるようになっており、新しい販路としても画期的だ。

 また、定期的にユーザーによるLIKE数で上位者を絞り、審査員がグランプリを選ぶというコンテストを実施。グランプリ受賞者には、ユニクロ各旗艦店がある各国都市へのご招待があるなど、グローバル感を演出する取り組みとなっている。

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