無料インターネットTVは夢だったのか--米国テレビ映画業界にみる有料化への流れ - (page 2)

Greg Sandoval (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年08月03日 07時30分

 調査会社Frost & SullivanのプリンシパルアナリストであるDan Rayburn氏によると、いくつかのスタジオはNetflixとの契約について再交渉するとき、販売のみを認める28日という期間の延長を要請したい考えだという。どうやら、この期間を設けることで、販売は確かに増加するようだ。

 放送局およびテレビネットワークも、まだ終わりではない。The New York Timesによると、ABCなどほかの放送局もFoxに追随して、同様の方法で自社コンテンツを囲い込む可能性があるという。こうした傾向を示す証拠はほかにもある。Major League Baseball(MLB)とHBOのコンテンツは今まで(合法的に)オンラインで無料視聴できるようになったことはなく、その状況が近いうちに変わる可能性は低い。それらのコンテンツは「有料の壁」の内側で申し分なく機能しているからだ。

 無料または格安のコンテンツを入手する手段としてのウェブは、消費者にとって残念なことに、夢物語だった。Rayburn氏はそう主張する。

 「何らかの理由で、消費者はあらゆるデバイスで、自分が望むあらゆるタイプのコンテンツにアクセスできるようになるという考えが浸透してしまった。それは現実にはならない。コンテンツにはお金がかかる。したがって、Foxの動きには少しも驚いていないし、今後はそういったことがもっと増えてくると予測している。正しいアプローチではないと主張する人も出てくるだろう。そういう主張を展開することも可能だが、結局のところ、放送局およびテレビネットワークは自分たちの中核事業について明らかに懸念を抱いており、それを守るために可能な限りのことをしたいと考えている」(Rayburn氏)

 実施予定の料金値上げについてNetflixが厳しい反応を受けていることから判断すると、Foxも今回の決定に関して多くの批判にさらされる可能性が高い。監視団体は今回の動きについて、衰退への1歩だとすでに批判している。デジタル問題を専門的に扱う公益団体Public KnowledgeのプレジデントであるGigi Sohn氏は、「この展開は消費者にとって非常に不幸なものであり、結局のところ、テレビ業界にとって自己破滅的なものになるだろう」と述べた。

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