「Android」の躍進を後押しする5つの原動力 - (page 2)

文:Jason Hiner(TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子2010年10月25日 08時00分

#4:Googleというブランドのパワー

 Androidはオープンソースであり、Linuxをベースにしているということを思い出してほしい。Androidはモバイル市場で成功を収めているものの、Linux自体は10年前からWindowsを駆逐することになるという予測こそあれ、実際にパーソナルコンピュータ市場に大きな影響を及ぼすまでには至っていない。

 ここでLinuxを非難するつもりはない。Linuxがデスクトップ市場を席捲する可能性はまだまだ残されている。また、サーバ市場では着実にシェアを伸ばしている。ただ、Linuxをモバイルに対応させようとするさまざまな取り組みは、すべて失敗に終わっているのである。ところが、AndroidはLinuxベースの他のモバイルOSと比べて一頭地を抜いているだけでなく、デスクトップ市場やサーバ市場におけるLinuxの伸びを上回る速度で成長しているのだ。

 なぜだろうか?その主な理由は、AndroidがGoogleブランドという強い後ろ盾を得ているためである。Googleによって「監視社会」が生み出されるという懸念もあるとはいえ、コンシューマーや企業人はGoogleを毎日利用しており、必要な情報をインターネットから見つけ出すための実用的な方法としてGoogleを愛用している。

 Android携帯電話を購入する際、Linuxのことを思い浮かべる人などいない。皆が思い浮かべるのはGoogleなのである。

#3:エコシステムの活況

 Androidのエコシステムを的確に言い表せば、ほとんど組織化されていない混沌とした状態であると言えるだろう。これは、人気のあるオープンソースプロジェクトの持つ特徴であるとも言え、製品はさまざまにかたちを変えたり、用途別に複数の製品に分化したりするようになっている。

 Androidのエコシステムにおける違いは、さまざまな大手IT企業がAndroidに投資しているという点だ。メーカーを挙げるとサムスン電子やHTC、Motorolaが既に多大な投資をしている。また、エイサーやASUSTeK Computer、Lenovo、Dell、NEC、シャープ、東芝といった多くの企業もAndroidへの取り組みを本格化させる予定にしている。

 通信事業者もAndroidに多大な投資を行っている。こういった企業にはVerizonやT-Mobile、Vodafone、Sprint、AT&T、 中国電信(チャイナテレコム)、KDDI、Telefonicaなどがある。これら事業者の多くは、自社のアプリケーションやサービスを多数Androidにインストールするようになっている--ただ、こういったものはたいていの場合、ユーザーによるアンインストールが行えないという残念なことになっている。

 しかし、携帯電話メーカーや通信事業者によってアプリケーションやサービスがインストールされるということは、こういった企業すべてが最高のAndroidパッケージを作り上げようと互いに激しく競い合っているということも意味している。その結果、Androidの持つ能力を最大限に引き出そうとする新たな端末が、各社から毎月のように発売されるようになっているわけだ。

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