HPの今後--ハード氏退任後の経営を考える - (page 3)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年08月11日 07時30分

 Reynolds氏はインタビューの中で、「Hurd氏はコスト削減とコスト管理に非常に注力していた。その場合の課題は、その環境で革新を起こすのが大変難しいことだ。新しいリーダーは、注力する対象をコストから別のものに移して、企業や消費者がインスピレーションに満ちたことを行うのをHPが支援できるような方向に、同社を動かしていくかもしれない」と述べている。

 その上、HPは同社が手がけるすべてのビジネス分野において、多くの競合他社としのぎを削っている。法人向けサービス分野におけるHPの最大のライバルIBMは今後いなくなるわけではなく、「HPよりもはるかに多くの資金を研究開発」につぎ込んでいる、とTechnology Business ResearchのアナリストであるEzra Gotthiel氏は6日、リサーチメモに記した。そして、HPは今でも世界市場におけるコンピュータ出荷台数で毎四半期首位を維持しているが、台頭著しいAcer、さらには消費者向けノートPCやそのほかのポータブルガジェットの分野でHPのシェアを奪おうとしているサムスンやASUSTeK Computerのような企業に今後も目を光らせなければならない。

 そしてもちろん、Appleの動向も注視する必要がある。Appleは「iPhone」と「iPad」によって、パーソナルテクノロジ分野におけるデザインおよび消費者アピール、さらには利益を最大化する能力に優れた強大な勢力としての地位を確立した。2010年、HPがPalmを買収したことで、同社がSteve Jobs氏とAppleから何らかのヒントを得ていることが明らかになった。Palmを買収したほぼ唯一の目的は、Appleが「iOS」を所有しているように(「Android」や「Windows Phone」のようにではなく)、HPも「webOS」というOSを所有して、自社のデバイス向けに開発を進められるようにすることだ。

 劇的なことを好み、エバンジェリストの役目を果たすJobs氏のような新リーダーをHPが求める可能性もある、とGartnerのReynolds氏は示唆した。

 「HPが安定した経営を行える人物を求めているのは明白だ。その人物には、直観的な要素とSteve Jobs氏的な要素が多少求められているが、あくまでも多少である。しかし、今はもっと強烈な公的人格を持つ人物を採用して、HPへの興味をかき立てるチャンスである」(Reynolds氏)

 「しかし、HPの経営がこんなにいい状態になければ、そんなことはできないだろう」(Reynolds氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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