Lesjak氏は電話会議の中で投資家に対し、「われわれが戦略を変更すべき動機は全くない。Markは強力なリーダーだった。しかし、結局のところ、HPの取り組みを牽引していたのはMarkではなく、会社全体だ」と述べた。
Lesjak氏は、Hurd氏の辞職によって、HPの経営陣と30万人を超える従業員の日々の業務が大幅に変わることはないはずだと付け加えた。
「混乱は全くない。HPは巨大な企業だ。HPの各事業のリーダーたちは、過去に自らの事業をどう運営すればよいか知る必要があった」(Lesjak氏)
HPにしばらく務めている従業員にとって、重役室でのスキャンダルや騒動は初めてのことではない。Hurd氏の入社は、前CEO(現在は米上院議員候補)のCarly Fiorina氏が混乱に満ちた在任期間を終えたすぐ後だった。Hurd氏の几帳面なやり方とコスト削減への徹底した取り組みは、HPを落ち着かせた。そして2006年、HPを取材していた記者を監視するプログラムを前会長のPatricia Dunn氏が監督していたという恥ずべき事実が発覚したとき、Hurd氏は切望されていた安定を同社にもたらした。
Hurd氏のこうした資質のために、従業員は8月6日の発表に不意を突かれたのかもしれない。
Hurd氏は正々堂々とした「クリーン」な人物だと見なされていたという。Fiorina氏の時代からHPに在籍している現従業員の1人が6日、米CNETに話した。匿名希望のこの人物は、HPの従業員たちが、Hurd氏に対する申し立てと同氏の辞職に「大きなショック」を受け、「落胆」していると述べる。それは特に、Hurd氏がHPの倫理的なビジネス慣習とStandards of Business Conduct(業務遂行規範)ポリシーを推進していると従業員から見られていたが、同氏がこのポリシーに違反していることが明らかになったためだという。
Hurd氏は財政面での規律正しさと、細部を非常に重視する経営者であることで知られていた。しかし、Hurd氏がHPをうまく経営していたからといって、同社が新たな経営者を迎えたときに、改善の余地がないわけではない。
GartnerのアナリストMartin Reynolds氏は、その一例をとして、Hurd氏はコスト削減に力を注いでいたため、革新の余地があまりなかったことを指摘した。
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