グーグルの新対中戦略--「新しい家」に山積する課題 - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年03月26日 07時30分

 Brin氏は22日、The New York Timesに対し、Googleの中国における今後に関して次のように語った。「非常に不透明だ。われわれの望みは、新たに始まった香港でのサービスが、中国本土でも利用できる状態が続くことだ」

 Googleの決定を中国のインターネット利用者がどう受け取るかも、同様に不透明だ。Googleは中国で、同国生まれの検索エンジン百度(バイドゥ)にかなりの差で後れを取っていたが、より若い利用者やテクノロジに熱心な人々に気に入られていた。

 中国国営の公式通信社である新華社は22日、元々は香港の星島日報が書いた論評記事を掲載し、中国に法律を変えるよう要求するGoogleの「ごう慢さ」を批判した。

 新華社が掲載した論評記事の英訳版には次のように記されている。「中国の最高指導者たちは、世界に門戸を開くことに重点を置く方針を貫いている。しかしGoogleは、同社が考える『門戸を開く』ことの定義を中国政府に受け入れるよう要求し、中国政府の主権に挑戦している」

 そのため、Googleは相当数の中国のインターネット利用者から、非友好的な侵入者とみなされているかもしれない。そのような利用者は、特にGoogleサイトへのトラフィックが万里のファイアウォールを通り抜けなければならないことでGoogleのパフォーマンスが低下した場合、百度などのサービスを利用することで十分満足するだろう。また、Googleに中国で最後まで耐え抜いてほしいと願っていたGoogleファンは、中国国境の外では検閲がどのように働くかを十分に知らされて、同社の決定に失望したかもしれない。

 Googleにとって中国が易しい課題だったことは一度もない。同社は世界を変えてきたかもしれないが中国を変えることはできないということを、謙虚に悟らされている。中国政府は、この論争と、それが極めて公然とした形で展開されたことを忘れないだろう。

 Googleは、世界でも特に重要な国の1つである中国の外側で活動することで、内側で注目される存在であり続けることができるだろうか。Googleは4年前、できないという結論に達したが、22日、これを覆した。

 中国の内部で物事が本当に変わらない限り、新しいアプローチを試す第3のチャンスは訪れそうにない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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