「拡大では、決して見た目は良くない。『Photoshop』でもきれいに見えないのだから、インタラクションのあるものではなおさらだ。Appleがそうするのは、いくらかの移行期間を与えるためだ。しかし人々は、拡大することには決して満足しないだろう」(Daigle氏)
しかし、ほかにもデベロッパーが考えるべきことがある。サイズが大きくなるということは、重さが増えることでもある。「iPhone 3GS」はわずか3分の1ポンド(約150g)だが、iPadは1.5ポンド(約680g)だ。例えば「Bump」アプリなど、何らかの動作やシェイクが必要なアプリでは、iPadを使うのは自然な方法ではないだろう。
Groves氏は、自分のスノードームアプリ「wpSnow」について、そのことを心配しているという。iPhoneやiPod touchで、このアプリを開いた状態でシェイクすると、雪がクリスマスツリーの上に舞い降りる。「iPadを手に持ったことがある人は多くない。このアプリが、ユーザーに電話機を大きく動かすことを(要求しているので)、心配している。iPadの重さでは、ユーザーのインタラクションに問題が生じるのではないだろうか。iPadを大きく振ったら、落としてしまうのではないか」(Groves氏)
明らかに、iPadデベロッパーにとっては、作りながら学んでいくプロセスになるだろう。デベロッパーはソフトウェア開発キット(SDK)を入手できるが、それにはシミュレータしか含まれていない。Apple社外でiPadに触れたことのある人はほとんどおらず、iPadが米国の店頭に並ぶ4月3日になってようやく、アプリ制作者が学習のプロセスをスタートさせることになりそうだ。しかしDaigle氏のように、iPadによってモバイルコンピューティングが進んでゆく方向を楽しみにしているデザイナーにとっては、それは胸が躍ることだ。iPadは明らかに、この先に待ち構えているもっと多くの変化の始まりにすぎないからだ。
「iPhoneやiPod touchは、このインターフェースやコンセプトに人々を慣れさせるための、ある種の練習場だったと思う。iPhoneが初めて登場したとき、つまり、トップバーとボトムバー、そしてその間のスペース(がアプリのデザインを意味していたとき)を振り返ると、Appleは意図的にそうしたのだと思う。より小さな(iPhoneの)デザインを最初にリリースして、人々に慣れてもらう。先にiPadを出していたら、人々は困惑していただろう」(Daigle氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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