発達していない理由の1つは、HTML 5とそれに関連するテクノロジがまだ完成していないことだとLawson氏は言う。「(もう1つの理由は)ブラウザの相互運用性に頼っていることだ。これは歴史的に、賢明な考えであったことがない。仕様が完成すれば、見込みは大きくなるが」(Lawson氏)
HTML対Flashというのは、宗教戦争になる可能性を秘めている。プログラミング言語がある限り、どのツールが作業を行うのに最も適しているかという論争が常にあったし、さらにこの問題には、混乱したところにさらに感情を注ぎ足すような、余分な要素がある。
Firefoxを使用しているオープンソース信奉者の多くは、プロプライエタリなプラグインにいらだちを覚えており、このような人たちは自分の意見を聞き入れてもらうことに慣れているものだ。Flashを、押し付けがましいオンライン広告の経路として喜んで非難する人たちもいる。その混乱に、AppleのiPadに対する愛憎の毒舌を少し加えれば、Flashが非難される可能性は大いにある。
Adobeの「Photoshop」プリンシパルプロダクトマネージャーであり、余暇にはFlashの擁護者ともなるJohn Nack氏は、「人々はある程度『強烈な』物語を求めている。正義の味方対悪漢、オープン対プロプライエタリ、などだ」と言う。
確かに、深呼吸をして、両方のテクノロジが普及するだろうということと、どちらも近い将来他方を制圧することはないだろうということを受け入れる方が、おそらく賢明だろう。
隔たりは見た目ほど大きくないのかもしれない。AdobeにはHTMLオーサリングツールもあり、「Adobe AIR」ソフトウェア基盤には、Flashプレーヤーだけでなく、SafariやChromeにあるのと同じ「WebKit」HTML処理エンジンが含まれていることを忘れてはならない。AdobeはFlashに莫大な投資をしてきたが、これらのテクノロジが発達するにつれ、同社のHTMLへの興味は増すと期待できる。
大局的に言えば、Adobeは両側に立ち位置を見ており、ウェブでFlashが不要になる日が来るとは見ていない。
「長期的な話として、ゆくゆくはHTMLが、特にバージョン5によってHTMLにもたらされている最近の発展によって、Flashの必要性を置き換えると指摘する人もいる。わたしは、一方が他方に取って代わるとは考えていない。現時点ではもちろん、予見できる限りの将来でも、そうなることはないだろう」(Lynch氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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