Hachamovitch氏は言及しなかったが、Microsoftが、「Bing」や「Windows Live」、そして新しいオンライン「Office 2010」サイトを通じて、同社ビジネスのより多くの部分をオンラインに移行していることにも注目すべきだ。「より優れたIEを構築して、あらゆるウェブサイトでのエクスペリエンスを改善したいと思っている」と同氏は言う。
Sinofsky氏は、MicrosoftがIE 9の開発を開始したのはわずか3週間前(本稿執筆時点)だと述べている。しかし、同社が再びブラウザに関心を寄せているという兆しは、以前からはっきりとしていた。
2009年になって公開されたIE 8では、重要なセキュリティ機能やプライバシー機能が新たに追加された。また、重要な方針転換としてウェブ開発者が評価するのは、IE 8がHTMLやCSSなどさまざまなウェブ標準に準拠しようと努めていることだ。
その後8月に、MicrosoftはHTML標準の取り組みに加わっている。また11月には、Microsoftは大勢のIEチームのメンバーをWorld Wide Web Consortium(W3C)の会合に派遣した。
Microsoftのプログラムマネージャーで、標準化の取り組みにかかわっているAdrian Bateman氏は、「ブラウザ間の相互運用性が向上するように仕様の質を高めることが重要だ。われわれの目標は、こうした新しい標準を、ウェブ開発者が利用しやすく、IEの将来のバージョンでうまく機能するものにすることだ」と動機を説明した。これまでになく多様化した現在のブラウザで、自分のウェブサイトがうまく表示されるよう奮闘するプログラマーにとって、こうした意見は耳に心地よく響く。
内部では、IE 9のアクセラレーションにはMicrosoftの「Graphics Device Interface(GDI)」ではなく、同社の「Direct2D」インターフェースが採用される。Direct2Dには、ソフトウェアがグラフィックスのためにハードウェアアクセラレーションを活用できるようにする一般的な方法が用意されており、IE 9はこれを採用する予定だ。
このテクノロジを使用しているHachamovitch氏は、「まったく違うレベルのパフォーマンスだ。Pixarや『Xbox』を見ることと、カクカク動く旧式のPCを見ることの違いのようなものだ」と言う。
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