2007年後半には、ソニーは一部のPlayStation 3向けタイトルを直接ダウンロードとしてリリースし始めた。これは現世代のゲーム機では初めてだった。それらのゲームはBlu-ray Discの小売版とほぼ同価格であるが、小売店に並んだ数百のタイトルのうち直接ダウンロードで発売されたのは本稿執筆時点で8本のみだ。
PlayStation 3でプレイできるゲームに加え、ソニーの携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」向けゲームの一部も購入可能であり、USBケーブルを通じてPSPにデータを転送する。
PSPユーザーは、一部のゲームについては、ソニー独自のUMD物理メディアで購入する代わりに、デバイスに直接ダウンロードすることができる。ソニーは小売店向けにリリースしたすべてのゲームをデジタルダウンロードで入手可能にしているわけではないが、2009年中のPSP goのリリースに合わせ、すべてをダウンロード可能にすることが見込まれている。PSP goにはUMDスロットがなく、内蔵ソリッドステートメモリが使用される。
任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDSi」には、ニンテンドーDSiショップというソフトウェアが含まれており、Wi-Fi接続で「DSiウェア」ゲームを購入し、システム内蔵メモリあるいは外部メモリに保存できる。しかし、PSPで利用できるゲームと異なり、多くのゲームは機能が限られている。
将来的には、直接ダウンロードが、家庭用と携帯用のすべての次世代ゲーム機で必須の機能となることは確かだ。ゲームのデジタル流通には、特にパブリッシャーにとって、大きなメリットがある。デジタル著作権管理を組み込むことによって、データ流出をより厳しく管理し、中古市場を排除すれば、販売の可能性が高まる。
これまで変化していたのは、流通というよりも容量だった。もちろん、容量はハードウェアメーカーにとって大きな問題となる分野だ。
80年代にさかのぼると、GameLineやPlayCableはわずかキロバイト単位の容量で努力していたが、一方Microsoftの新しいGame on Demandサービスでは、6Gバイト近くのタイトルも登場するだろう。PlayStation 3向けタイトルの中には容量がその4倍近いものもあり、最大25Gバイトを格納できる1層Blu-ray Discの限界に迫りつつある。
そのようなサイズになると、十分なハードディスク容量がなければ、ダウンロードではうまくゆかない。PlayStation 3の容量は最大でも160Gバイトだ(本稿執筆時点)。ただし、サードパーティー製のドライブを取り付ければ拡張することもできるが、この容量の制限が、ソニーがより多くのタイトルを直接ダウンロードで提供できない要因の1つであることは間違いない。
ストレージ容量が拡大しブロードバンド速度が向上している中で、光学メディアの時代は決して長くは続かないが、現世代と同様の複合アプローチを次世代機でも目にするかもしれない。Microsoftやソニー、任天堂といったゲーム会社が直面する最大の障害は、流通の容易さと、パフォーマンスの低いストレージメディアの必要性を負わせることとのバランスを取ることにある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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