Appleによると、Snow Leopardは、いくつかの新技術においてアップグレードするだけの価値があり、一部技術により性能も向上しているという。すべての新型Macは、64ビットマルチコアプロセッサ、Gバイト単位のRAM、強力なグラフィック処理装置を搭載しているので、Snow Leopardの主要アプリケーション(Finderなど)は、64ビットで書き直され、ハードウェアを十分に活用できるようになっている(64ビット技術により、アプリケーション開発者は、タスクの実行により多くのメモリを割り当てられるようになるため、ソフトウェアは、より高速かつ円滑に動作するようになる)。
また、Appleは、Grand Central Dispatch(GCD)を加えることで、マルチコアプロセッサに送られるデータを管理し、性能を最大限に発揮できるようにしている。Appleによると、GCDは、「Photoshop」の画像処理からゲームまで、いかなるアプリケーションのタスクも高速化するという。また、GCDの追加は、ソフトウェア開発者にとって、マルチコアプロセッサの管理に時間を費やす必要性を減らすことになる。
Snow Leopardの新技術にはOpenCLもある。OpenCLにより、ソフトウェア開発者は、オンボードビデオカード(もしくはGPU)の能力を汎用的な計算処理に活用するため、莫大な量のコードを追加する必要がなくなる。GCDのようにこれら改良が主に影響を与えるのは、ソフトウェア開発者だ。しかし、このことは、ユーザーにとって将来的に、より性能の高いソフトウェアを意味することが期待される。
これら主張の一部を確かめるため、Mac OS X 10.5.8 LeopardとMac OS X 10.6 Snow Leopardを比較し、これら新技術が総合的な性能にどう影響したかを検証した。
Snow Leopard UIにおける性能を見た限り、Leopardよりも高速で反応が良いように思えた。Finder、Stacks、Expose、ローンチアプリケーションなどの日常的な処理の実行は、軽快に動作した。しかし、アプリケーション性能において改善は見られなかった。
全体的に見て、アプリケーション性能は、LeopardからSnow Leopardへと移行した場合、わずか2.5%落ちた。これは、よりプロセッサに負荷をかけた性能テストの結果で、マルチメディアマルチタスクテストを含んでいる。このテストでは、iTunesでMP3をAACフォーマットにバックグラウンドで変換しながら、QuickTimeで短い動画を変換し終えるまでの時間を計測した。この結果は、われわれが標準とする誤差の範囲(5%)に収まるため、LeopardからSnow Leopardに移行した場合、アプリケーション性能において明らかな違いはないことになる(比較の表は記事の最後を参照)。
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