アップル、「Google Voice」排除問題で弁明--App Storeの承認手順も明かす - (page 2)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:吉武稔夫、高森郁哉2009年08月24日 13時02分

 実際に計算してみると、これは気が遠くなるような作業だ。8500本のアプリケーションとアップデートを40人が通常の週5日勤務で審査すると、1人当たり週に約212本のアプリケーションを担当することになる。しかし、1本のアプリケーションを2人の担当者が評価するので、作業量は倍になり、週に424本、1日平均で85本だ。標準的な8時間勤務体制だと仮定すると(正直に言って、この従業員たちは多分8時間勤務で済まないだろうが)、App Storeの審査チームの各メンバーが6分間に1本のアプリケーションを調べるという計算になる。これなら、ルールに違反したアプリケーションが誤って担当者の目をすり抜けるようなことがあっても、理解できるというものだ。

 意見が割れるケースや特殊なケースのために、AppleはApp Storeの「上級審査委員会」を設立している。委員の人数については言及がないが、App Store担当の上級管理職で構成され、週に1度会合を開いて、審査プロセスの方針を決定したり、「新しい問題や複雑な問題を引き起こす」アプリケーションについて検討したりしていることが明かされている。

 アプリケーションが申請されると、審査担当者は、バグのあるソフトウェア、やたらとクラッシュするアプリケーション、許可されていないAPIの使用(Googleは例外のようだが)、プライバシーの侵害、子供に不適切なコンテンツなど、「『iPhone』の中核となる体験を損なう」あらゆる要素をチェックする。

 Appleはまた、米国における独占的通信事業であるAT&Tとの契約によって、iPhoneの所有者がAT&Tからの特別な許可なくVoIP通話を利用できるようにするアプリケーションや、AT&Tのサービス利用規約に違反するようなアプリケーションを排除する義務を負っている。後者の例に当たるのが「SlingPlayer Mobile」で、Appleから却下された後、iPhoneの3G通信回線ではなく、Wi-Fi接続を利用することにしてようやく認可された。Appleは回答状の中で、セットトップボックスのコンテンツを送信して携帯端末から見られるようにするSlingPlayer Mobileが却下されたのは、「AT&Tの移動体通信ネットワークを利用してテレビの放送波をiPhoneに転送するのは、AT&Tのサービス利用規約によって禁じられているから」だと述べている。

 Appleは、8月21日に公開した回答状の中で次のように述べた。「われわれは新しい分野を取り扱っており、これまで一度もなされなかったことを実行している。われわれが直面する問題の多くは困難で新しいものだ。時に間違いを犯すことがあるかもしれないが、われわれはそこから学び、継続的に向上するよう努めている」

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ

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