Apollo計画では月の赤道地域に着陸したが、航行技術としてはその方が簡単だった。しかし、人類が居住するという話になれば、常に日光が当たる高地と常に日陰になるクレーター内部があるという事実から、極地域を訪れるもっともな理由がある。
科学者たちは極地域に水素の物理的形跡を見いだしており、日陰に隠れて氷が存在している可能性があると信じている。この氷は、おそらく非常に長い期間にわたるすい星の衝突によって残されたものと考えられており、人間の飲用として利用できるだろうし、もっと壮大なこととして、現在ロケットの推進燃料として使われている液体酸素と液体水素に分ければ、ロケットの燃料を生産するために使える。もちろん、酸素は呼吸に必要だ。
Hunt氏は「水を見つけることができたら、長期的な前哨基地や恒久的な月面基地を建設する能力が大いに高まることになる」と述べている。科学的には「本当に月に水があると言えれば、月や地球・月系、太陽系の初期進化の空白部分を埋めることに役立つだろう」(Hunt氏)
月の極地域の高地には、恒久的に太陽光が当たるという利点もある。Connolly氏は、太陽光によって過ごしやすい穏やかな気候となり、太陽電池を回転させて常に太陽を追跡することも簡単にできると述べている。
現在の月計画は、George W. Bush前大統領が2004年に概説した構想を基にしている。5年経ち、LROとLCROSSがNASAによる進展を示している。
予算上のハードルは高い。資金獲得について、感触を最初に得ることができるのは8月だ。Obama政権で有人宇宙飛行に関する調査委員会を率いるLockheed Martin元最高経営責任者(CEO)Norm Augustine氏が8月、同委員会の意見を報告する。
だが、長期的に見た場合、Olson氏は、月へ人類を再度送り込むだけでなく、火星に行くことについても楽観的だ。
「予算的、または、技術的な能力から、火星に行く準備ができていると思わない」とOlson氏。「だが、最後には行くことができるだろうと確信している」(Olson氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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