デジカメのスペック・画質を徹底検証--キヤノンEOSデジタル現行5機種を比較 - (page 2)

機種別に見るスペック比較

 各機種の主なスペックを比較表にまとめてみた。こうして一覧にすると、共通するスペックや機種間の相違などがわかりやすい。やはり新しい機種である50Dや5Dマーク?はスペックに関しては上位となる。しかし基本性能に関しては他の機種であっても十分な力をもっていることが判る。

機種別に見る主なスペック比較。現行機種ラインアップのなかでは一番早出となる40Dだが、スペックとしては決して見劣りするものではない。他の機種はその40Dを基準として細かい機能の向上を施したものだといえるだろう。(※画像をクリックすると拡大します)

 現行EOSデジタルシリーズはいずれも1000万画素を上回る高解像度を誇る。一般的なL版プリントなどの使用においては十分過ぎると言ってもよい程だ。A3サイズのプリントにも十分に対応できる。各機種ごとの解像感を見るべく同じ状況下で撮影した画像を等倍にして比較してみた。いずれも高い解像感をもつが、若干だが機種により描写が異なるようだ。

同じ位置からビルを各機種で撮影。中央部と周辺部を100%表示して切り出した。比較すると40Dの精細さに目がいく。比べ50Dは若干緩く見える。意外にもローエンドとなるKissFの精細感が高い。画素数だけでは計れないバランスが大事だということがわかる。フルサイズ機である5Dマーク?は位置付けがひとクラス上ということもあり別格の解像感を持っているようだ。(※画像をクリックすると拡大します)
同じ位置からビルを各機種で撮影。中央部と周辺部を100%表示して切り出した。比較すると40Dの精細さに目がいく。比べ50Dは若干緩く見える。意外にもローエンドとなるKissFの精細感が高い。画素数だけでは計れないバランスが大事だということがわかる。フルサイズ機である5Dマーク?は位置付けがひとクラス上ということもあり別格の解像感を持っているようだ。(※画像をクリックすると拡大します)

 最近のデジタル一眼レフカメラの多くに搭載されるようになった機能に、高輝度側の諧調優先機能がある。EOSデジタルシリーズでもプロ機とローエンドのKissFを除く機種に搭載されている。最低感度がISO200になるという制約があるが、白い被写体など白飛びを起こしやすいものには非常に効果的だ。ただ全体に若干コントラストが下がることになるので、うまくON/OFFを使い分けたい。

太陽光のあたる白いビルのハイライト部を高輝度側・諧調優先機能をON/OFFそれぞれで撮影した。OFFではハイライト部とその周りのタイルが完全に白とびしてしまっているが、ONでは白とびするタイルの範囲が抑えられていることがわかる。効果を理解して適切なシーンで活用したい機能だ。(※画像をクリックすると拡大します)

 オートライティングオプティマイザーの搭載はKissX2以降の機種となる。オートライティングオプティマイザーとは、カメラによる明るさやコントラストを自動的に最適な状態にしてくれる機能だ。特に逆光撮影や低コントラストな被写体に効果的に働いてくれる。プロ機と40Dを除く現行機種のすべてに搭載されている。ただしその効果の程度とパラメーターには機種ごとに差がみられるようだ。各機種ごとにテストした画像を参考にしてほしい。

各機種をプログラムモードにして撮影。露出はカメラまかせで露出補正は行っていない。40Dにはオートライティングオプティマイザーは搭載されていないのでこれを基準として見ると、KissX2とKIssFの効果の高さが際立つ。おなじく50D(強)も効果が高い。50Dだけを見ると弱、標準、強のあいだの変化はゆるやかだ。5Dマーク?はOFFで若干暗めの露出となったが、弱、標準、強と効果の変化が自然な補正結果となっている。(※画像をクリックすると拡大します)

 デジタルカメラの進化に伴い大きく改善され続けている要素のひとつに、高ISO感度での撮影画質の向上がある。特にここ最近の画質改善は目を見張るものがある。いまや高感度撮影時の画質を優先事項としてカメラを選ぶといった選択方法も可能だ。

 この点に関しては明らかに後発の機種が有利となる。ノイズ処理対策と新技術の開発は密接だからだ。ただノイズ処理に関しては、ただ消せばよいというものではなく、被写体の質感をいかに残してノイズリダクションをかけるかというセンスも重要だ。この辺りの処理に関しても過去の機種からの経験が豊富なEOSデジタルはうまく処理を行っている。

各機種をISO感度1600に合わせ撮影。一部分を100%表示に拡大して比較する。ノイズリダクションは「する」または「標準」に設定。やはり最新機種である5Dマーク?と50Dは圧倒的にノイズが少ない。質感もノイズリダクション特有の塗りつぶした感じではなく自然な描写だといえる。早出の40Dは比較すると若干目立ってしまうが、決して多いほうではない。KissX2とKissFは設定できる最高感度ということもあり、若干目立ち気味となる。(※画像をクリックすると拡大します)
各機種をISO感度1600に合わせ撮影。一部分を100%表示に拡大して比較する。ノイズリダクションは「する」または「標準」に設定。やはり最新機種である5Dマーク?と50Dは圧倒的にノイズが少ない。質感もノイズリダクション特有の塗りつぶした感じではなく自然な描写だといえる。早出の40Dは比較すると若干目立ってしまうが、決して多いほうではない。KissX2とKissFは設定できる最高感度ということもあり、若干目立ち気味となる。(※画像をクリックすると拡大します)

 現在ラインアップされている機種はいずれもライブビュー撮影に対応している。EOSデジタルシリーズでは初めてプロ機であるEOS 1Dマーク?に搭載されたライブビュー機構だが、中級機であるEOS 40Dに搭載された段階でAF撮影が可能となるなど扱いやすいものとなった。更に各機種に搭載されていることにより、その操作性は洗練されたものとなっている。ただし各機種によりライブビュー撮影時における操作性は異なる。これも代を重ねるにしたがいユーザーの声を反映した結果だろう。

表にしてしまうと細かい変更点にしか見えないが、実際に撮影しながら操作すると大きな違いということに気がつく。1ステップ操作が少ないだけでも気持ちよいものだ。(※画像をクリックすると拡大します)

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