Facebookも同時に買収か--MSの米ヤフーとの再交渉の先を読む - (page 2)

文:Dan Farber(CNET News.com) 翻訳校正:湯木進悟、ラテックス・インターナショナル2008年05月21日 16時38分
  • Microsoftから顔を背けてGoogleと手を組むと、Microsoftへの売却こそが正しい結末と考える有力株主や不満を募らせる従業員たちに、Yahoo取締役会に対するさらなる攻撃材料を与えることになる。したがって、Googleを迎え入れてMicrosoftとの関係を絶つよりもMicrosoftに対して門戸を開いておいた方が賢明である。
  • Microsoftは検索広告ビジネスを成長させる必要に迫られている。同社はFacebookと提携関係にあるが、AOLとMySpace.comについてはGoogleに奪われている。広告スペースを確保し、引き続きYahooへと愛のむちをふるう手段として、Yahooのテキスト検索広告ビジネスを買収するのはどうだろうか。特にIcahn氏の策謀や7月3日に予定されている株主総会を考慮するに、これがYahoo全体の買収につながるかもしれない。
  • 加えて今週開催のMicrosoftの「Advance08 Advertising Leadership Forum」で検索広告の買収を発表するといい。
  • 夏が近づく中、Microsoftは1株当たり33.50ドルでのYahoo買収について、Icahn氏などのYahooの株主、さまざまな代理人、そして最終的にはYahooに話を持ちかけるだろう。
  • MicrosoftがYahoo買収への関心を失い(実らなかった買収提案の過程ではあまりに良くない思い出が多すぎたため)、Googleの動きを牽制する手段として検索広告の買収だけで手を打つ可能性もある。営業に加えて検索と広告技術の両方をカバーする合弁企業を設立すれば、Googleの強力な対抗馬になるだろうが、それを実現するのは困難かもしれない。
  • MicrosoftがYahooに関心を示しているのはその検索ビジネスだけに限らない。そのエンジニアリングにおける優秀な人材、5億人のメンバー、そしてMSNとYahoo両ブランドで共用できるいくつかの魅力的なサービスにも着目している。
  • MicrosoftがYahoo全体を買収しない場合は、Facebookがより魅力的な存在になる。Zuckerberg氏は時期が来たら株式を公開するとこれまで何度も述べている。
  • しかし、時代は変わった。Facebookは、ソーシャルネットワークでの広告経営は検索広告よりもうけが薄いことに気づいた。そして、2008年の売上高の予測を下方修正した。Facebookは米国外にも事業を拡大しているが、新規ユーザー獲得の成長カーブはやや鈍化している。Google、AOL傘下のBebo、MySpaceといった競合他社はいまなお健在であり、また、データポータビリティという概念によって、ユーザーをソーシャルネットワークという庭に囲い込んでいた塀は穴だらけになりつつある。
  • したがって、Facebookは不確定な市場に賭けてみるよりは、4年間の仕事の報酬として150〜200億ドルをすぐに手にする選択肢の方にオープンになっているかもしれない。筆者はこれが、長老連がFacebookの経営チームに助言している内容ではないかと推測する。
  • Microsoftにとって、現状での理想的なシナリオは、YahooとFacebookの両方を買収することである。最初に、Yahooから検索広告部門を買収してこの方面でGoogleを阻止する。夏以降にIcahn氏などの株主からの圧力が高まったところでYahooを買収する。最後に、Facebookが、次なるGoogleになる夢がそれほど確実でなくなったことに気づいたところで、Facebookを買収する。
  • このシナリオが実現したら、Microsoftはオンラインの多くの領域を獲得することになる。しかし、それは米国がルイジアナを買収したときほど安くはなく、Microsoftがさまざまなプラットフォームやオーディエンスをいかに統合し、活用するのかについても不透明である。

 創設35年になるMicrosoftは長期的な展望を持っており、これまで頑固で粘り強い企業として知られてきた。しかし、Microsoftが異なるサービスをまとめ上げ、統合することによってWeb 3.0に向かう道をリードできるかどうかはまだ分からない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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