グーグル退職後のリッチな人生--株長者になった元従業員たちの現在 - (page 2)

文:Stefanie Olsen(CNET News.com) 翻訳校正:矢倉美登里、佐藤卓、吉武稔夫2008年01月28日 08時00分

 Googleが他社と異なるところは、これほど短い期間のうちに巨額の富を生み出したことと、その資金が今後数年間に及ぼすであろうインパクトの強さだ。これまではまだ、元Google従業員たちは大ヒットを飛ばしていないが、Googleで経験を積んだ彼らは、シリコンバレーのビジネスと文化にとって、他のどのグループよりも重要な役割を果たす可能性が高い。彼らによって、Googleの聡明で高い理想を追い求める感覚が、新たな技術企業や慈善活動、さらにはワインバーにまでもたらされるだろう。

 CNET News.comは今回、数人の元Google従業員を取材した。その中には、大金持ちになった元女性マッサージ師もいれば、自分は幸運だけでなく才能によって富を得たことを証明しようと試みる起業家たちもいる。

 「今や経済的自立を獲得した初期の元Google従業員らに対する疑問は、彼らが賢明になれるかどうかではなく、深い人間性を持った人物になるかどうかだ」と、ある関係者は語っている。

Georges Harik氏。Googleに最初に入社したエンジニア10名のうちの1人で、新製品担当ディレクターを務めていた。現在は投資家として活動するほか、非営利の人工知能研究所も設立した

 1999年春、SGIを辞めたHarik氏は、エンジニアの世界からいったん身を引こうと考え、1年間世界旅行をする計画を立てていた。だが、同氏は友人からPage氏を紹介され(ミシガン州立大学の同窓生という縁があった)、検索について数時間Page氏と語り合った末、旅行の計画を延期し、Googleのソフトウェアエンジニアとして契約した。

Georges Harik Georges Harik氏
提供:Georges Harik

 Harik氏は今、その選択が幸運だったことをはっきりと理解している。Harik氏は2005年11月にGoogleを離れたが、同氏の資産は自身の想像を超える自由をもたらした。飛行機は常にビジネスクラスで、カリフォルニア州パロアルトに3000平方フィート(約280平方m)以上の自宅を構え、同じくコンピュータ科学者である兄弟2人と生活している(そのうち1人はYouTubeで働いている)。

 とはいえ、Harik氏がGoogleの立ち上げにかかわったのは、世界を変えるという考えに魅了されたためだ。「どこかのコーヒーショップに立ち寄ったときに、自分がかつて取り組んだツールを周りの人たちが使っているのを目にすると、実にいい気分だ。やったかいがあった」とHarik氏は語る。Harik氏は、Googleにいた7年間、「Gmail」やGoogleの広告プラットフォームの立ち上げに取り組んでいた。

 一部のGoogle元従業員と同様、Harik氏はWi-Fi企業のMeraki Networksなどいくつかの小規模企業に投資している。また、ウェブベースのビデオ会議サービスを手がけるIMOを兄弟2人と共同で設立し、開発に協力している。そのほか、遺伝的アルゴリズムの数理モデルを学んだ大学時代に立ち返るかのように、Harik氏はパロアルトに研究所(名前はまだ決まっていない)を開設し、生命工学と医薬の分野で利用できる人工知能ソフトウェアの開発を行っている。2008年には、この研究所に約10万ドルを投資する計画だ。

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