最後に急速な成長が記録されるだろうといわれる液晶テレビだ。2007年上半期の液晶テレビ市場は前年同期比140%増の334万台に達した。これはテレビ全体の出荷台数の18.7%にあたる。北京や上海など豊かな地域を中心にニーズは非常に高い一方、それ以外の地域の注目度は低いという両極端な結果となった。
2007年第3四半期の注目度調査において日本メーカーは、ソニー(4位、シェア9.3%)とシャープ(8位、6.2%)と東芝(10位、4.2%)がトップ10入り。トップ10のうち中国メーカーは4社であった。トップ10のメーカーのうち、上海周辺および北京周辺などの豊かな地域と、そうでない地域とで注目度が異なるメーカーは、シャープとソニーだった。また特にシャープはその傾向が顕著に現れた。
モニタサイズ別の注目度では、32インチが最も多く、以下42インチ(25.6%)、40インチ(14.3%)、37インチ(14.7%)と続いた。特に42インチへの関心が2007年1月から6月にかけて上昇した。販売価格帯別の注目度では、5000〜8000元(約75000〜12万円)が最も多く全体の32.7%を占め、以下8001〜1万元(約12万〜15万円、全体の19.3%)、10001〜15000元(約15万〜22万5000円、同18.3%)、5千元未満(約7万5000円未満、同17.3%)、15000〜2万元(22万5000円〜30万円、同8.2%)、2万元以上(約30万円以上、4.2%)と続いた。
モニターサイズ別の平均価格は32インチが5678元(8万5000円強)、37インチが8060元(約12万円)、40インチが9065元(約13万6000円)、42インチが11143元(約16万7000円)となった。ソニーやシャープなどの日本メーカー、それに韓国のサムスンの値段が突出して高く、一方中国メーカーはいずれも平均以下の低価格な製品をリリースする傾向が見られる。とはいえ、中国国外メーカー勢は特に2007年3月以降じりじりと値段を下げており、中国メーカーのシェアを奪いつつある。今後中国メーカーがどれだけさらに値下げを専攻するかが中国メーカーが生きれるかどうかの鍵だと中関村在線は分析している。
順位 | メーカー名 (*は中国メーカー) | シェア(%) |
---|---|---|
1 | フィリップス | 14.7 |
2 | サムスン | 13.3 |
3 | 創維 * | 10.0 |
4 | ソニー | 9.3 |
5 | 海信 * | 7.5 |
6 | LG | 6.7 |
7 | 長虹 * | 6.4 |
8 | シャープ | 6.2 |
9 | TCL * | 2.2 |
10 | 東芝 | 4.23 |
それにしても地方都市の平均月収が3万円程度、大都市での平均月収が5万円強の中国の購買意識は日本のそれとは全く異なる。また2007年は、白物家電の出荷数が前年同期比2桁ポイント増を記録し、液晶テレビは前年比2倍以上の増加を記録した。その結果にもかかわらず、このレポートの最初に「白物家電の成長はほぼ横ばい」と書けるあたりに、今の中国市場の勢いを垣間見れる。
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