だが、ソフトウェアPBX企業Fonalityの最高経営責任者(CEO)を務めるChris Lyman氏は、Rees氏とは意見を異にする。WANやLANのアップグレードに投資する余裕のない企業は、インターネット接続が中断したら従来型の電話ネットワークに戻れるハイブリッド型のソリューションを利用すべきだ、とLyman氏は主張する。Fonalityは、まさにそうした機能を持つソフトウェアPBXソリューションを販売している。
「公共のインターネットは、ビジネスクラスのサービスに求められるサービス品質を維持できない。一方で、専用ネットワークへのアップグレードは、小規模企業には費用をまかなえないのが一般的だ。ゆえに小規模企業は、アナログサービスを切り捨ててVoIPに一本化すべきではない。時期尚早というものだ」とLyman氏。
Fonalityの製品は、CiscoやAvayaが提供している製品と似ている。ただし、Fonalityのソフトウェアはオープンソース技術をベースにしているので、こうした大企業の競合製品よりも40〜80%低コストだ、とLyman氏は語る。業界標準に基づくオープンソース技術を採用しているため、Fonalityのソフトウェアはどんなサーバや固定電話機にも導入できる。これとは対照的に、CiscoのIP PBXソリューションはCiscoのハードウェア上で稼働するため、導入する企業はCiscoのIP電話を購入しなければならない。
とはいえ、Fonalityのソリューションでも、従業員1人あたり約300〜500ドルかかるので、一部の企業にとっては高価すぎるかもしれない。
つまるところ、VoIPの導入を目指す小規模企業は、予算規模にふさわしいサービスやソリューションの長所短所を比較検討しなければならない。
「ローエンド市場で一定の割合を占める企業は、こうした比較的高価なオプションの費用をまかなえない」と、ForresterのPierce氏は語る。「その点を考慮すると、インターネットベースのVoIPソリューションは適正価格と言えるかもしれない。通話の品質とサービスの安定性は劣っているかもしれないが、そのぶん安い。妥協が必要だ」
実際、冒頭で紹介したHampton氏は、自身のウェブ開発企業は成長しており、将来はより安定した電話システムに投資する可能性が高い、と述べている。だが、それまではSkypeを利用し続けるつもりだ。
「今のところ、Skypeは私にとって素晴らしいサービスだ。だが、携帯電話を持っていて良かったとも思う」と、Hampton氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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