「HDDに撮った映像や静止画をどうのように最終保存するのか?」という問いは、HDDムービーにつきまとうFAQだ。これに対してEverioシリーズでは「DVDライターを使えばPCレスで保存できる」という解決策を用意している。本機でも、同様に別売の専用DVDライター「CU-VD40」と再生機能を省いた「CU-VD20」が用意されている。
本機はUSBホスト機能を備えていて、本機とCU-VD40/VD20をUSBケーブルで接続して撮影データをDVDにバックアップできる。記録できるDVDはDVD-R/-RW、DVD-R DLで、FHDモードの場合、DVD-R DLに約40分のムービーデータの保存が可能だ。
標準バックアップのほか、日付、シーン、イベント、プレイリスト別のバックアップが可能だ。操作はとてもシンプルで、カメラのGUIを見ながら数ステップで行える。
さらにCU-VD40は、単体でデータDVDの再生機能を備えていて、HDMIとコンポーネント端子からHD出力、アナログAV端子からSD出力が可能だ。ここで注意したいのは、CU-VD40/VD20で作られるDVDは、HD映像データをバックアップした”データディスク”であり、他のDVDプレーヤーなどでは再生できない点である。
HD映像のまま再生互換性を持たせるためには、DVDのデータをPCで読み込んでオーサリングしてBlu-rayディスクなどに記録する必要がある。
本機のMPEG-2 TSという記録形式からすると、同形式がメインフォーマットになるBlu-rayドライブを備えたライターが、将来予定されていることは明らかだろう。現状ではBlu-rayライターは価格的に難しいので、現実的な解決策としてDVDライターが採用されたと思われる。
PCとの連携もよく考えられていて、本機とPCをUSB接続し、本機のGUIで「PCへバックアップ」または「PCで見る」を選ぶと、操作の窓口になる付属PCソフト「PowerCinema NE for Everio」が自動で立ち上がって必要な各アプリケーションが選べるしくみだ。
再生とバックアップ用に「PowerCinema NE for Everio」、ノンリニア編集用に「PowerDirector 5 NE Express」、Blu-rayなどへのオーサリング用に「PowerProducer 3 NE」が付属している。Mac OS X用としては、本機のムービーを各編集ソフトに読み込めるプラグインソフト「QuickTime component for Everio」が付属している。
総じて見ると、HDDムービーとしての完成度は高く、機能やデザインにもビクターのHDムービーに対する意気込みの高さが感じられる。
HDカメラ全般にいえることだが、Blu-rayなどのHD映像メディアが普及するまでの過渡期にあるといえ、記録メディアの扱いなどに慣れが必要な部分がある。
また、更なる小型化や省電力化も必要と思われる。といった課題はあるものの、MPEG-2 TSというBlu-rayに最適なフォーマットを選んだ本機は、Blu-rayの普及によって、さらに使いやすく進化できるだろう。今後のEverioシリーズの展開に期待したい。
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