Oracleは今年中にも、ターゲットを一段と絞ったアプリケーションサーバのパッケージを発表する見通しだ。同社の計画に詳しいある人物は、OracleがBusiness Intelligence、Integration、Identity Management、Portal、Formsという5種類の新しいスタンドアロン版アプリケーションサーバを投入すると述べている。これらの新パッケージは、小規模組織をターゲットにしたStandard Oneや、プログラマー向けに考えられたJavaエディションなどの既存製品の補完的役割を果たすことになる。
こうした内容見直しの一環として、Oracleは価格改定にも着手すると見られている。同社は現在、アプリケーションサーバ、ポータル、および統合ソフトで構成されるアプリケーションサーバのエンタープライズ版の価格を、プロセッサ1基あたり2万ドルに設定している。Oracleの計画に詳しいある人物によると、同社はIntegrationエディションという新製品の価格をプロセッサ1基あたり3万ドルに設定するという。
OracleのDebnathは、現在テスト中のIntegrationの改良版には、統合関連の各種製品が搭載されることになる、と語っている。同氏によると、同社は統合「ブローカー」とともに、業者間(B2B)の情報共有専用に設計されたソフトも用意するという。ブローカーは、Javaメッセージング標準とXMLをベースに開発された製品で、ライバル各社では「エンタープライズサービスバス」と呼ばれている。
Debnathによると、新しいIntegrationエディションには統合設計ツールセットが搭載されるという。プログラマーはこれを使って、アプリケーションサーバやポータルをはじめ、Oracleのどのサーバソフトのコンポーネント用アプリでも開発できるようになる。このバンドルには、アプリケーションの運用状況に関する情報を収集する業務活動監視ツールと呼ばれるものも含まれることになる、と同氏は語った。
OracleのCMS製品は、同社のアプリサーバのほか、データベースもその基盤になっている。OracleのRich Buchheim(エンタープライズコンテンツ管理戦略シニアディレクター)は、同製品がOracleのCollaborationスイートと同じアーキテクチャになることを明らかにしている。同スイートには、メールやウェブ会議などの各種コラボレーションツールが含まれている。
Oracleは、これを普通の人が使えるCMS製品にしようとしている、とBuchheimは語る。同氏によると、既存のエンタープライズ向けCMS製品には、大規模な業務利用には簡素すぎるものか、医薬品認可プロセスのような、比較的範囲が狭く複雑な用途の特殊なニーズに特化したものかのいずれかしかないという。
Oracleは、社内の少数の専門職しか教育を受けないハイエンドアプリに的を絞るのではなく、多数のユーザーが利用できる一般的な用途向けとしてコンテンツ管理ツールの設計を進めている。同社は積極的な価格設定でこのツールを売り込んでくるとBuchheimは語る。
OracleはすでにCMS製品の販売に向けて営業部隊の準備を進めている。Oracleの技術マーケティング担当バイスプレジデントRobert Shimpによると、同社はこれをデータベースビジネス拡張の自然な流れだと考えているという。データの保存とトランザクションの処理にはOracleのリレーショナルデータベースが利用され、「非構造」データ、メール、ウェブページ、ドキュメントなどの保存や管理にはCMSスイートが利用されるようになる。
「われわれのライバル、特にMicrosoftとIBMは強い関心を示しているが、スケーラビリティに問題のある製品や、特定業界向けの過度に複雑な製品を出して、スタートでつまづいている。われわれは、これを絶好のチャンスと捉えている」(Shimp)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」