親密な関係は変わらず.....
こうした動きから、これまでMicrosoftと緊密に連携し、Windowsに自社製チップセット機能を搭載させてきたIntelが、新機能の開発や、デジタル家電といった新市場への進出を可能にするために、今後はより多くの作業を独自に手掛けていくのかという疑問が生じる。
この点についてIntel広報担当のScott McLaughlinは、必ずしもそうとは限らないと語る。
「数多くの(ソフトウェア)関連事業で、Microsoftと協力し合っている.....われわれとMicrosoftが連携する機会は非常に多い。われわれはOSビジネスは手掛けていないので、Itanium(Intel製64ビットサーバチップ)などに関しては、(同チップ用ソフトウェアを開発するため)Microsoftと緊密に連携する必要があった」(McLaughlin)
しかし両社は、そのような取り組みにおいて必ずしも常に意見が一致したわけではない。1998年のMicrosoftの反トラスト訴訟で、Intelのある幹部が証言し、Microsoftは、Intelが当時開発中だったNative Signal Processingと呼ばれるオーディオビジュアル(AV)ソフトウェア技術をめぐり同社を脅迫したと述べた。ただしMicrosoftは、このIntel幹部の証言に対し激しく反論した。
またIntelは、MicrosoftのライバルであるReal Networksのビデオストリーミングソフトウェアを支援してきた。これらの事実は、IntelとMicrosoftの両社が長年、必要に応じて互いに協力し合ってはきたものの、同時に両社の関係を緊張させる可能性のある目標の追求も辞さないという姿勢を示唆している。
Microsoftの広報担当者はCNET News.comに対し次のように語った。「MicrosoftとIntelは長年、ソフトウェア/ハードウェアの幅広い分野で協調/協力関係を維持してきた.....その最大の目的は、両社の顧客に対し、可能な限り優れた技術、製品、プログラムを提供することにある.....MicrosoftはIntelとの開かれた直接的な対話を重視している。それが両社の良好な協力関係の構築につながり、結果的に製品の技術革新をもたらし、顧客や業界の利益となっているからだ」
しかし、MicrosoftがWindows XPの後継OSを準備している間に、Intelの8000名のソフトウェアエンジニアが相次いで新製品を発表することから、今後2年間は両社間の微妙なバランスが試されることにもなりそうだ。
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