Appleは、「iPhone」に導入予定の「Push Notification Service」(PNS)機能が最適なソリューションではないと考え、将来のiPhoneでバックグラウンド処理を導入する計画を検討している可能性がある。
Appleはこれまで、複数のiPhoneアプリケーションをバックグラウンドで同時に実行させることに異議を唱えてきた。しかし、MacRumorsは米国時間2月3日、Appleが将来のある時点で、この方針の撤回を検討しているとの「うわさを耳にした」と報じた。Appleは2008年6月、iPhoneではバッテリ寿命とパフォーマンスの維持のため、複数のアプリケーションを同時に実行できないと発表していた。この発表は、複数アプリケーションの同時実行が可能な他のプラットフォーム向けスマートフォンアプリケーション開発に慣れている開発者たちを驚かせた。
その代わりとして、AppleのScott Forstall氏は「はるかに優れたソリューション」の計画を発表した。それがPNSである。PNSは、あるアプリケーションを使用中に、Appleのホステッドアプリケーションサーバから発信された別のアプリケーションへの通知が受けられる機能だ。この機能により、例えばユーザーがiPhoneでパズルゲーム「Bejeweled」をプレー中でも、メッセージを受信するとウィンドウで知らせるインスタントメッセージング(IM)アプリケーションの開発が可能になる予定だった。
このPNSにはさまざまなメリットが考えられるだろうが、同サービスは2008年9月までに準備が整うはずだった。しかし、すでに今は2009年2月であり、Appleは前に自分たちが発言したことなど完全に忘れてしまったように見える。例によって遅れの原因は不明だが、(今回のうわさが本当であれば)真のバックグラウンド処理を可能にする計画が浮上し、PNS自体が無意味になったためかもしれない。
次期iPhoneは、アプリケーションおよびグラフィックスプロセッサの高速化など、内部的なアップグレードが計画されているとうわさされており、こうした計画はうわさとも合致するだろう。より高性能なチップを搭載することで処理能力が向上し、パフォーマンスの著しい低下を招くことなく、従来よりもはるかに容易に複数のアプリケーションの同時実行が可能になるかもしれない。MacRumorsの予想では、このバックグラウンド処理は、初代iPhoneと現行の「iPhone 3G」に対しては機能が限定的で、ユーザーはバックグラウンドで実行するアプリケーションを選択可能になるだろうという。
過去2年間がそうだったように、Appleの(iPhoneに対する)6月リリースのサイクルが今回も当てはまれば、ちょうどその頃にリリースされるかもしれない「iPhone 3.0」ソフトウェアの一部として、このバックグラウンド処理機能が追加される可能性もある。それでも、Appleのこの問題への対処が大幅に遅れることに変わりはない。しかし、ユーザーや開発者にとって、このバックグラウンド処理機能はより優れた機能だろうし、またAppleにとっても通知サービスをホストする必要がなくなるという意味でより好都合だろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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