ドイツの裁判所は、2週間前T-Mobileに対して出された販売の仮差止め命令を取り消し、同社がドイツで「iPhone」を独占販売することを認める裁定を下した。
AppleはiPhoneについて、国ごとに1社の携帯電話会社にのみ独占販売権を与え、見返りとして同製品の売り上げの一部を受け取る(比率に関する詳細は不明)戦略を採っている。携帯電話会社のVodafone Groupは11月下旬、iPhoneのドイツ国内での独占販売権を獲得したT-Mobileが、顧客に24カ月間の使用契約を強制的に結ばせ、同製品を他の通信会社のネットワークで使用できなくさせて競争を阻害しているとして異議申し立てを行った。
その結果、Vodafone Groupの主張は認められ、T-Mobileに対し販売の仮差止め命令が下された。同社は命令に従ったものの、ロックを解除したiPhoneの価格を1460ドルに設定した。顧客に24カ月間の契約を結ばせていた時のiPhoneの価格は582ドルだった。ハンブルグ地裁が仮差止め命令を取り消したことを受けて、T-Mobileはロック解除されたiPhoneの販売を停止した。
T-Mobileの広報担当者Klaus Czerwinski氏は現地時間12月4日、「当社の行いが適法であると認められ満足している、顧客にとっても最善の結果であると考えている」と述べた。
同氏は、4日に裁定が出されるまでの2週間の間に、ロックを解除されたiPhoneがどれだけ販売されたかについては明らかにせず、「数多く売れた」と答えるにとどめた。Czerwinski氏はZDNet UKの取材に対し、「あの価格で購入する人がいるとは思えなかった」と語った。「最初はほとんど売れないと思った、冒険するにはあまりにも高すぎる」
Vodafoneの広報は、今回の裁定をまだ書面で受け取っていないとしながらも、慎重に検討して「今後の対応を決定していく」と語った。同広報はまた、異議を申し立てた意図について、「当初から、ドイツ市場における同製品の立場を明確にすることにあった」と説明した。「Vodafoneは価格体系がドイツの消費者の利益にかなうとは考えていない」とも語った。
ただし、ロック解除されたiPhoneは引き続きフランスで購入できる。同国国内でiPhoneの独占販売権を持つ携帯電話会社のOrangeは、競争法により他の通信会社を利用するユーザーも同製品を使用できるようにすることを義務付けられているためだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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